「説明しているのに、なぜか相手に伝わらない」
そんなときは、説明そのものが間違っているのではなく、読み手が内容を具体的にイメージできていないのかもしれません。
たとえば、
「わかりやすい文章を書きましょう」
と言われたら、意味はなんとなくわかります。
でも、
「具体的に、どう書けばいいの?」
と聞かれると、少し困りますよね。
そこで役立つのが具体例です。
具体例には、抽象的な説明を、読み手が頭の中でイメージできる形へ変える役割があります。
ただし、具体例は入れれば入れるほどよいわけではありません。
本題と関係の薄い例や長すぎる例を入れると、今度は、
「結局、何を説明しているんだろう?」
とわかりにくくなることがあります。
大切なのは、具体例そのものではありません。
「何を理解してもらうための具体例なのか」
がわかることです。
この記事では、具体例を使って、わかりにくい説明を伝わる文章へ変える方法を紹介します。
ポイントになるのは、
「抽象→具体→抽象」
という流れです。
難しい文章テクニックではありません。
「何を伝えたい?」
「たとえば?」
「つまり?」
という3つの問いに置き換えると、ぐっと使いやすくなります。
文章を書いていて、
「ここ、具体例を入れたほうがいいかな?」
と迷ったときにも使える考え方です。
具体例を入れると文章はなぜわかりやすくなる?
具体例が役立つのは、抽象的な言葉だけでは、書き手と読み手が同じものをイメージするとは限らないからです。
たとえば、
「早めに返信してください」
という文章があります。
意味そのものは難しくありません。
ところが、「早め」がいつなのかは人によって違います。
書いた人は、
「今日中に返信してほしい」
と思っているかもしれません。
一方、読んだ人は、
「2〜3日以内なら大丈夫だろう」
と考えるかもしれません。
そこで、
「今日の17時までに返信してください」
と具体的にします。
すると読み手は、自分で「早め」の意味を推測する必要がなくなります。

もう一つ見てみましょう。
「文章は短く書きましょう」
と言われたら、どうでしょうか。
30文字でしょうか。
100文字でしょうか。
一文を短くするのでしょうか。
それとも、記事全体を短くするのでしょうか。
書き手の中では、
「一文に情報を詰め込みすぎない」
という意味だったとしても、その前提を読み手が知っているとは限りません。
そこで、
「一文に複数の内容が入っているときは、意味のまとまりごとに文を分けます」
と具体化します。
すると、
「ああ、こういう意味で短くするのか」
とイメージしやすくなります。
ここで大切なのは、具体例によって情報量を増やすことではありません。
読み手の頭の中に、
「つまり、こういうことか」
という状態をつくることです。
自分には意味がわかるのに、相手にはうまく伝わらないときは、書き手と読み手が持っている情報に差がある場合もあります。
関連記事:書いた本人にはわかるのに、なぜ相手には伝わらない?原因と伝わる文章の書き方
「抽象的な説明」と「具体的な説明」の違い
抽象的な説明が悪いわけではありません。
むしろ、考え方やルールを短く整理するときには便利です。
たとえば、
「相手が理解しやすい文章を書きましょう」
という一文。
考え方としては間違っていません。
ただ、この説明だけでは、
「それで、具体的には何をすればいいの?」
が残ります。
そこで、
「相手が理解しやすい文章を書きましょう。たとえば専門用語を使う場合は、その言葉を知らない人でも意味がわかるように、短い説明を添えます」
とします。
これなら、
「専門用語に説明を加えるのも、わかりやすくする方法なんだ」
とイメージできます。
ほかにも、
「なるべく早く提出してください」
より、
「金曜日の17時までに提出してください」
としたほうが、期限を判断しやすくなります。
「短くまとめてください」
より、説明用の例として、
「300文字程度にまとめてください」
としたほうが、長さの目安をイメージできます。
【図1:抽象的な説明を具体化するとどう変わる?】

このように、抽象的な言葉を、
場面
数字
行動
状態
などへ置き換えると、読み手は具体的に考えやすくなります。
ただし、何でも数字にすればよいわけではありません。
たとえば、
「親しみやすい文章にしてください」
という依頼を、無理に数字だけで説明するのは難しいでしょう。
そんなときは、
「専門用語を続けず、普段使う言葉へ置き換える」
など、具体的な行動や文章例で示す方法があります。
つまり、「具体的にする」とは「細かくする」という意味ではありません。
読み手が、
「実際にはどういうこと?」
と迷うところを、イメージできる形へ変えることです。
具体例は「抽象→具体→抽象」で書くと伝わりやすい
具体例を書くときに使いやすいのが、
「抽象→具体→抽象」
という流れです。
言葉だけを見ると少し難しそうですが、やることはシンプルです。
最初に、伝えたい考え方を示します。
次に、
「たとえば?」
と具体例を出します。
そして最後に、
「つまり、この例から何が言える?」
と本来の説明へ戻ります。
実際に見てみましょう。
最初に、
「曖昧な表現は、人によって受け取り方が変わることがあります。」
と説明します。
これが最初の「抽象」です。
次に、
「たとえば『早めに返信してください』という依頼です。書き手は今日中を想定していても、読み手は2〜3日以内と考えるかもしれません。」
と具体例を入れます。
そして、
「このように解釈が分かれると困る部分は、期限などの基準を具体的にすると伝わりやすくなります。」
と、本来伝えたかった考え方へ戻します。
整理すると、
「曖昧な表現は解釈が分かれる」
↓
「たとえば『早めに返信してください』」
↓
「解釈が分かれる部分は基準を具体化する」
という流れです。
【図2:伝わる具体例の基本「抽象→具体→抽象」】

では、なぜ最後にもう一度「抽象」へ戻るのでしょうか。
具体例だけで終わると、読み手が、
「『早めに』を使わなければいいのね」
と、その例だけをルールとして受け取ってしまうことがあるからです。
本当に伝えたいのは、
「早め」という言葉を禁止することではありません。
「相手と解釈が分かれると困る情報は、必要に応じて具体化する」
という考え方です。
具体例から本来の説明へ戻すことで、読み手は別の場面にも応用しやすくなります。
たとえば、
「なるべく多めに用意してください」
「少し小さくしてください」
「できるだけ早く来てください」
といった別の表現を見たときにも、
「ここは基準を具体化したほうがいいかな?」
と考えられるようになります。
具体例は、答えそのものではありません。
抽象的な説明と読み手の理解をつなぐ橋渡しです。
文章を書くときは、
「何を伝えたい?」
↓
「たとえば?」
↓
「つまり?」
の3つを意識してみてください。
伝わる具体例を書く5つのコツ
具体例を入れても、必ずわかりやすくなるわけではありません。
大切なのは、説明したいことに合った例を選び、読み手が本題を理解できる形で使うことです。
ここからは、具体例を書くときに確認したい5つのポイントを紹介します。
1.何を説明するための具体例なのかを先に決める
具体例を考える前に、
「この例で、読者に何を理解してほしい?」
を決めます。
たとえば、
「曖昧な表現は解釈が分かれる」
ことを説明したいとします。
その場合、
「早めに返信してください」
という例は使いやすいでしょう。
人によって「早め」の基準が違うことを示せるからです。
反対に、とても面白いエピソードを思いついたとしても、「曖昧な表現」と関係がなければ、この説明には必要ありません。
文章を書いていると、
「この話も使えそう」
と、例を増やしたくなることがあります。
でも、具体例は主役ではありません。
本来伝えたいことを理解してもらうためのものです。
まず、
「何を説明したい?」
を決める。
そのあとで、
「それが伝わる例は?」
と考える。
この順番にすると、本題からずれにくくなります。
2.読み手が想像しやすい場面を選ぶ
具体例そのものが難しいと、説明を理解する前に、
「この例はどういう意味?」
という新しい疑問が生まれます。
たとえば、文章初心者へ「わかりやすい説明」について伝えるのに、専門的な業界の契約手続きを例にすると、その業界を知らない人には例の理解から必要になります。
一方、
メール
仕事の依頼
待ち合わせ
買い物
日常会話
など、多くの人が経験したり想像したりしやすい場面なら、状況説明を短くできます。
ただし、
「身近な例なら何でもいい」
わけではありません。
大切なのは、説明したい内容と例の構造が合っていることです。
「読み手が想像しやすい?」
と同時に、
「本当にこの説明の例になっている?」
も確認してみてください。
3.抽象的な言葉を場面・数字・行動へ置き換える
具体例を考えていて、
「具体的って、どうすればいいの?」
と迷ったら、抽象的な言葉を、
場面
数字
行動
状態
へ置き換えられないか考えてみます。
たとえば、
「早めに」
→「明日の10時までに」
「短く」
→「300文字程度に」
「確認してください」
→「名前・日付・金額に間違いがないか確認してください」
といった具合です。
「読みやすくしてください」
なら、
「一文に複数の内容が入っていたら、意味のまとまりごとに分けてください」
と、行動へ置き換えられます。
読み手が、
「具体的には何をするの?」
と迷いそうな部分を見つけたら、行動や基準へ置き換えられないか考えてみましょう。
ただし、実際の期限や数値について説明する場合は、正しい情報を確認する必要があります。
説明用の仮の数字なら、それが例だとわかる形にします。
具体性を出すためだけに、根拠のない数字を事実のように使わないことも大切です。
4.一つの具体例に情報を詰め込みすぎない
わかりやすく説明しようとして、具体例そのものが長くなることがあります。
たとえば、
「昨日、会社で同僚から資料の作成を頼まれて、その資料は来週の会議で使うもので、以前にも似たような資料を作ったことがあり、そのときは……」
と背景から詳しく説明していくと、読み手は途中で、
「何の例だったっけ?」
となってしまうかもしれません。
もし、
「期限を具体的にする大切さ」
を説明したいだけなら、
「早めに提出してください」
↓
「金曜日の17時までに提出してください」
でも違いを示せます。
具体例にも、必要な情報と不要な情報があります。
書いたあとに、
「この情報がなくても例の意味は伝わる?」
と確認してみましょう。
5.具体例のあとに「つまり何が言えるか」へ戻る
具体例を書いたら、そのまま次の話へ進まず、
「この例で何を伝えたかった?」
へ戻ります。
たとえば、
「『早めに返信してください』ではなく、『明日の10時までに返信してください』と書きます。」
ここまででも違いはわかります。
さらに、
「期限のように解釈が分かれると困る情報は、具体的な基準を示すと相手が判断しやすくなります。」
と加えます。
すると読者は、「返信期限の書き方」だけではなく、
「解釈が分かれる情報は具体化する」
という考え方を持ち帰れます。
具体例を書いたあと、
「つまり」
「このように」
「ここで大切なのは」
「この例からわかるのは」
などを使って、本題へ戻ってみてください。
大切なのは、具体例と本来の説明の関係を読み手に任せきりにしないことです。
【図3:具体例を書くときの5つのチェックポイント】

具体例を書いてもわかりにくくなる4つのパターン
具体例を入れたのに、
「なんだか説明がわかりにくい」
ということもあります。
そんなときは、具体例の数を増やす前に、次の4つを確認してみてください。
1.具体例が説明したい内容とずれている
具体例そのものはわかりやすくても、本題との関係が弱ければ説明にはなりません。
例を選ぶときは、
「この例のどの部分が、説明したいことと対応している?」
と確認します。
うまく答えられないなら、別の例を探したほうがよいでしょう。
面白い例より、説明したいことに合っている例を優先します。
2.読み手にとって具体例のほうが難しい
専門的な内容を説明するために、さらに専門的な例を使う。
これでは、読み手の疑問が増えてしまいます。
具体例を理解するために長い前提説明が必要なら、本当にその例が適しているか考えてみましょう。
特に初心者向けの記事では、
「この例を理解するために、別の知識が必要ではない?」
と確認するとよいでしょう。
3.具体例が長すぎて本題が埋もれている
具体例を詳しく書いているうちに、ひとつのエピソードのようになることがあります。
もちろん、エピソードが効果的な場合もあります。
実際の経験を伝える記事なら、背景や出来事そのものに価値があることもあります。
しかし、考え方を理解してもらうための具体例なら、本題より例のほうが目立つ状態には注意が必要です。
読み返して、
「この説明で一番印象に残るのは、本来のポイント?それとも例の話?」
と考えてみてください。
4.具体例を出したまま説明へ戻っていない
具体例そのものは理解できても、
「それが何を意味するの?」
が説明されていないケースです。
特に、少し複雑な内容では、
「例を読めばわかるだろう」
と読み手へ任せないほうがよいでしょう。
具体例を書いたあとに、
「この例からわかるのは〜」
と一度本題へ戻ります。
例と本題の関係を書き手側でつなぐことで、具体例が単なるエピソードではなく「説明」として機能します。
具体例は、どんなところに入れればいい?
ここまで読むと、
「具体例の書き方はわかったけれど、文章のどこに入れればいいの?」
と迷うかもしれません。
すべての説明に具体例を付ける必要はありません。
具体例を入れたほうがよいのは、読み手が、
「それって具体的には?」
「実際にはどうするの?」
「どういう状態?」
「たとえばどんな場面?」
と感じそうなところです。
特に、
抽象的な考え方を説明したあと
初めて出てくる概念を説明するとき
人によって解釈が変わりそうなとき
手順や行動をイメージしてほしいとき
似たものの違いを見せたいとき
などは、具体例が役立ちます。
反対に、すでに十分具体的な説明へ、さらに例を重ねる必要はありません。
たとえば、
「申込ボタンを押したあと、名前とメールアドレスを入力します」
という説明で読者が行動をイメージできるなら、
「たとえば、名前の欄には山田太郎と入力して……」
と続けなくてもよいでしょう。
具体例を入れるか迷ったら、
「この説明だけで、読み手はイメージできる?」
と考えてみてください。
できるなら、そのままで構いません。
できないなら、
「たとえば?」
を追加します。
具体例は、文章を飾るためではなく、理解できないところを補うために使います。
具体例と「たとえ話」は同じもの?
具体例について考えていると、「たとえ話」との違いが気になることもあります。
この2つは似ていますが、少し役割が違います。
具体例は、
「実際にはどんなケース?」
を示すものです。
たとえば、
「曖昧な期限は解釈が分かれます」
という説明に対して、
「『早めに返信してください』という表現」
を示すのが具体例です。
一方、たとえ話は、
「別のものに置き換えると、どう考えられる?」
という説明方法です。
難しい仕組みや目に見えない考え方を、身近なものへ置き換えて理解しやすくする場合などに使います。
どちらも「わからない」を「イメージできる」へ変えるための方法ですが、必ず同じものではありません。
この記事では、まず実際の場面や文章を示す「具体例」に絞って考えます。
たとえ話については、別の記事で詳しく扱うと理解しやすくなります。
Before/Afterで具体例の入れ方を見てみよう
ここまでの内容を使って、実際の文章を直してみましょう。
まずは、抽象的な説明だけの文章です。
「読み手に合わせて具体的に説明することが大切です。」
意味はわかります。
ただ、
「具体的に説明するって、どういうこと?」
が残ります。
そこで、具体例を加えます。
「読み手に合わせて具体的に説明することが大切です。たとえば『早めに返信してください』ではなく、『明日の10時までに返信してください』と書きます。」
先ほどより、イメージしやすくなりました。
ただ、もう一歩進められます。
具体例の意味まで説明してみましょう。
「読み手に合わせて具体的に説明することが大切です。たとえば『早めに返信してください』では、人によって想定する期限が異なることがあります。期限が重要なら、『明日の10時までに返信してください』と具体化します。このように、解釈が分かれると困る部分を具体化すると、読み手が迷いにくくなります。」
最初の文章との違いは、単純に文字数が増えたことではありません。
最初は、
「具体的に説明しましょう」
という考え方だけでした。
次は、
「具体的とは、こういうこと」
が見えるようになりました。
さらに完成形では、
「なぜ具体化するのか」
までわかります。
整理すると、
「考え方を示す」
↓
「具体例を示す」
↓
「具体例の意味を説明する」
という流れです。
具体例を入れた文章を読み返すときは、
「例を入れた?」
だけではなく、
「この例が何を意味するのかまで伝わる?」
と確認してみてください。
具体例が思いつかないときは「誰に・何を」へ戻ろう
文章を書いていると、
「ここに具体例を入れたいけれど、何も思いつかない」
ということがあります。
そんなとき、無理に面白い例をひねり出す必要はありません。
一度、
「誰に伝える?」
「何を理解してほしい?」
へ戻ってみてください。
たとえば、
「文章について説明したい」
だけでは範囲が広すぎます。
何を例にすればいいのかも決めにくいですよね。
一方、
「文章を書くのが苦手な初心者に、一文へ情報を詰め込みすぎると読みにくくなることを伝えたい」
まで決まればどうでしょう。
「一文に複数の依頼を詰め込んだメール」
という例が考えられます。
さらに、
「メールで3つの依頼を一文につなげる」
↓
「依頼ごとに文を分ける」
というBefore/Afterにもできます。
つまり、具体例が思いつかない原因が、具体例の発想力ではなく、
「そもそも何を伝えるか決まっていない」
ことにある場合もあります。

そんなときは具体例を探し続けるより、伝えたい内容を先に整理したほうが考えやすくなります。
関連記事:伝えたいことがまとまらないときは?文章を書く前の整理方法
具体例だけで伝えにくいときは、文章の順番も確認しよう
具体例を入れたのに、まだ説明がわかりにくい。
そんなときは、具体例そのものではなく、文章全体の順番に原因があるかもしれません。
たとえば、具体例を先に長く説明してから、
「実はこれは○○の例です」
と最後に伝えると、読み手は途中まで、
「何の話をしているんだろう?」
と思いながら読むことになります。
反対に、
「ここでは○○について説明します」
と先に方向を示してから具体例を入れると、読み手は何に注目して読めばよいのかわかります。
文章は、情報そのものだけでなく、順番によっても伝わり方が変わります。
説明する順番を考える方法の一つが、
「結論→理由→具体例→結論」
で整理するPREP法です。
具体例そのものはわかりやすいのに、文章全体がまとまらないときは、順番を見直してみるのもよいでしょう。
関連記事:PREP法とは?伝わりやすい文章の書き方を例文でわかりやすく解説
まとめ|具体例は「わからない」を「イメージできる」に変える
具体例は、文章を長くしたり、説明を豪華にしたりするために入れるものではありません。
抽象的な説明を、読み手が具体的にイメージできる形へ変えるために使います。
そのため、具体例を書く前に、
「何を理解してほしい?」
を決めておくことが大切です。
そして、
「何を伝える?」
↓
「たとえば?」
↓
「つまり?」
という順番で考えてみてください。
最初に伝えたい考え方を示す。
具体例でイメージできる形にする。
最後に、具体例から本来の説明へ戻る。
これが、この記事で紹介した「抽象→具体→抽象」の基本です。
具体例が思いつかないときは、「誰に・何を伝えるのか」へ戻ります。
具体例を入れてもわかりにくいときは、
「本題とずれていない?」
「例のほうが難しくなっていない?」
「長すぎない?」
「例を出したまま終わっていない?」
と確認します。
そして、すべての説明に具体例を入れる必要もありません。
文章を読み返して、
「この説明だけで、読み手はイメージできる?」
と考えてみてください。
できるなら、そのままで大丈夫です。
少しわかりにくいと感じたら、
「たとえば?」
と自分に問いかけます。
具体例を書いたら、もう一度、
「つまり?」
と問いかけます。
この2つの問いを行き来するだけでも、抽象的な説明と具体例をつなげやすくなります。
具体例で大切なのは、例そのものを印象に残すことではありません。
読み手が、
「なるほど、そういうことか」
と本来の説明を理解できることです。
その状態をつくれているなら、具体例はきちんと役割を果たしています。

