文章を書いていると、
「内容は間違っていないのに、なんだか響かない」
「丁寧に説明しているつもりなのに、読者との距離を感じる」
そんなことはありませんか。
ブログでも商品紹介でも、正しい情報を分かりやすく書くことは大切です。
でも、それだけでは読み手に「これは自分に関係のある話だ」と感じてもらえないことがあります。
たとえば、
文章を書くのが苦手な人は多いです。
と言われるより、
伝えたいことはあるのに、書き始めると説明ばかりになってしまう。読み返して「なんだか固いな」と、また最初から書き直したくなる。
と言われたほうが、同じ経験のある人なら「あ、それ私かも」と感じやすいですよね。
違いは、感情的な言葉を増やしたことではありません。
「文章を書くのが苦手」という漠然とした悩みを、実際に起きている場面まで具体化したことです。
共感される文章を書くために大切なのは、「わかります」「大変ですよね」といった共感フレーズを増やすことではありません。
読者がどんな場面で困っているのか。
そのとき何を感じているのか。
何を知りたくて、その文章を読んでいるのか。
そこまで具体的に考えてみることです。
図1:共感される文章の基本イメージ

この記事では、読者に「自分のことだ」と感じてもらいやすい文章の書き方を、Before/Afterの例とともに紹介します。
共感される文章とは?

「共感される文章」と聞くと、読者に寄り添うやさしい文章を思い浮かべるかもしれません。
もちろん、言葉遣いや文章の雰囲気も関係します。
ただ、それ以上に大切なのが、読み手自身が文章の中に「自分との接点」を見つけられることです。
共感は「わかります」と書くことではない
たとえば、こんな文章があったとします。
文章を書くのは難しいですよね。その気持ち、よくわかります。
寄り添おうとしていることは伝わります。
でも、「何が難しいのか」が書かれていないため、少し漠然としています。
では、こちらはどうでしょう。
書きたいことは頭の中にあるのに、いざ文章にしようとすると最初の一文が決まらない。書いては消してを繰り返して、なかなか先に進めない。
この経験がある人なら、
「そうそう、そこなんだよ」
と感じるかもしれません。
文章の中には、「共感します」とも「わかります」とも書いていません。
それでも共感が生まれやすいのは、読み手が経験している場面を具体的に言葉にしているからです。
私は、共感される文章を考えるとき、
「共感していることを伝えよう」としすぎないほうが自然
だと思っています。
「あなたの気持ち、わかっていますよ」と書き手側から言うよりも、読者自身が文章を読んで、
「そう、それが言いたかった」
と感じられるほうが自然だからです。
つまり目指したいのは、
共感を伝える文章
というより、
読者の中に共感が生まれる文章
です。
図2:「共感を伝える」と「共感が生まれる」の違い

「自分のことだ」と感じられる文章は読み進めやすい
ブログを読んでいる人は、書き手の話を最初から最後まで聞くために訪れているとは限りません。
多くの場合、
「この疑問の答えを知りたい」
「この悩みをどうにかしたい」
「自分に合うものを探したい」
など、何らかの目的があります。
そのため、冒頭から自分と関係のない話が続けば、
「この記事は自分が探しているものとは違うかな」
と感じることもあるでしょう。
反対に、
「まさに今、それで困っている」
という場面が書かれていれば、その先に自分が知りたい答えがありそうだと感じやすくなります。
ここで重要なのは、無理に感情を揺さぶることではありません。
「この記事は誰の、どんな困りごとについて書いているのか」を早めに伝えること。
これだけでも読者との距離は変わります。
共感は文章を飾るためのテクニックではなく、書き手の話と読み手の悩みをつなぐ接点と考えると分かりやすいでしょう。
共感がなぜ文章で重要なのかを心理ライティング全体の視点から知りたい方は、「心理ライティングとは?」で考え方を整理しています。
なぜ「正しい文章」だけでは心に響かないのか
正しい情報を書くことは大切です。
特に商品やサービスを紹介するなら、正確さを軽視することはできません。
それでも、「正しい」と「自分に関係がある」は別の話です。
正しい説明と「自分に関係がある」は別
たとえば、ブログについてこんな説明があったとします。
記事では読者の検索意図を考えることが重要です。
内容としては間違っていません。
ただ、ブログを始めたばかりの人なら、
「検索意図って何だろう?」
「それを考えると、私の記事の何が変わるの?」
と感じるかもしれません。
そこで、
頑張って記事を書いているのに読まれないときは、「自分が書きたいこと」と「検索した人が知りたいこと」がずれていないか、一度確認してみましょう。
とすると、読者自身の悩みとの関係が少し見えやすくなります。
伝えている考え方そのものを大きく変えたわけではありません。
変えたのは、情報の入口です。
「検索意図が重要です」と知識から入るのではなく、
「頑張って書いているのに読まれない」
という読者側の状況から入っています。
専門的な内容を書くときほど、この違いは意識しておきたいところです。
詳しい人にとって当たり前の言葉でも、初めて読む人にとっては「自分とどう関係するのか」が見えないことがあるからです。
書き手の説明ばかりになると読者が置いていかれる
文章を書いていると、
「これも説明しなければ」
「あれも知っておいてほしい」
と、つい情報を増やしたくなります。
自分が詳しいテーマほど、この傾向は強くなりがちです。
商品紹介なら、
- サイズ
- 素材
- 機能
- 仕様
- 価格
- 特徴
を詳しく調べて、「全部書いたほうが親切」と思うこともあります。
もちろん、必要な情報は大切です。
でも、読者が最初に知りたいのは、
「結局、これは私に合っているの?」
かもしれません。
情報が不足しているのではなく、読者が知りたい順番になっていないこともあるわけです。
共感される文章を考えるなら、情報を増やす前に、
「この人はいま、何を知りたくて読んでいるのだろう?」
と一度考えてみる。
これだけでも、書き手中心の文章から少し離れやすくなります。
書き手中心の文章から、読者が知りたい順番へ変える方法は「読者目線の文章を書く方法」で詳しく整理します。
共感される文章を書く5つのポイント

では、実際にどうすれば共感されやすい文章になるのでしょうか。
ここからは、文章を書くときに確認したい5つのポイントを見ていきます。
1.「悩み」ではなく困っている場面まで想像する
最初に意識したいのが、悩みを大きな言葉だけで捉えないことです。
たとえば、
「文章を書くのが苦手」
という悩みがあります。
これだけでは、まだかなり広いですよね。
もう一段掘り下げてみると、
- 書き出しが決まらない
- 敬語が合っているか気になって進まない
- 書いているうちに話がまとまらなくなる
- 説明ばかりになって文章が固くなる
- 短いメールなのに何度も書き直してしまう
など、いろいろな場面が見えてきます。
つまり、
悩み → その悩みが起きる場面
まで一段掘り下げるわけです。
たとえば、
文章を書くのが苦手ではありませんか?
より、
短いメールを送るだけなのに、「この言い方で失礼じゃないかな」と何度も読み返して、なかなか送信ボタンを押せない。
と書いたほうが、同じ経験のある人には具体的に伝わります。
ここで使いやすいのが、
「いつ、どこで、何をしているときに困る?」
と考える方法です。
「ブログが書けない」なら、
記事のテーマが決まらないのか。
タイトルで止まるのか。
書き始めてからまとまらなくなるのか。
公開前に不安になって何度も直すのか。
場面によって、読者が感じていることは違います。
共感される文章を書こうとするときは、
「この人の悩みは何?」
だけで終わらず、
「その悩みは、実際にはどんな場面で起きている?」
まで考えてみてください。
文章に使える具体的な言葉が見つけやすくなります。
2.読者がうまく言葉にできない感情を言語化する
場面が見えてきたら、そのときの感情も考えてみます。
たとえば、時間をかけてブログ記事を書いたのに、ほとんど読まれなかったとします。
表面的な悩みは、
「アクセスが少ない」
です。
でも、その奥には、
「こんなに時間をかけたのに……」
「自分の文章が悪いのかな」
「何を直せばいいのか分からない」
「また記事を書いても同じなのかな」
といった気持ちがあるかもしれません。
こうした本人がうまく説明できていなかった気持ちを言葉にできると、「そう、それが言いたかった」と感じてもらえることがあります。
これは共感される文章の強いポイントです。
ただし、難しいところでもあります。
なぜなら、書き手が想像した感情と、実際の読者の感情が同じとは限らないからです。
そこで、
あなたは記事が読まれず、自信を失っているはずです。
と決めつけるのではなく、
記事がなかなか読まれないと、「内容が悪いのかな」と自信がなくなってしまうこともあります。
など、少し余白を残します。
読者を理解しようとすることと、読者の気持ちを勝手に決めることは別です。
「具体的にする。でも決めつけない」
このバランスは、共感を書くうえで覚えておきたいポイントです。
3.「私は」より「読者は何を知りたいか」を考える
共感される文章では「あなた」という言葉を使いましょう、と説明されることがあります。
確かに、文章によっては有効です。
ただ、「あなた」を増やせば読者目線になるわけではありません。
大切なのは、主語ではなく視点です。
たとえば、
私がこのバッグで一番気に入っているのは軽さです。
という文章。
個人ブログの感想としては自然です。
実際に使った人の感想を知りたい読者なら、この情報自体にも価値があります。
でも、読者が「毎日持ち歩いても負担になりにくいバッグ」を探しているなら、
通勤などで毎日持ち歩くなら、荷物を入れる前の本体重量も確認しておきたいポイントです。私自身も、使っていて特に軽さを感じました。
とすれば、読者の関心 → 自分の体験という順番になります。
個人ブログだからこそ、自分の経験や意見は入れてよいと思います。
ただ、
「私が言いたいから書く」のか、「読者の判断に役立つから書く」のか。
この違いは意識しておきたいところです。
自分の体験を消すのではなく、読者にとって意味のある場所に置く。
そう考えると、個人ブログらしさと読者目線を両立しやすくなります。
4.抽象的な言葉を具体的な場面に置き換える
共感される文章を書こうとして、
「不安ですよね」
「大変ですよね」
「困りますよね」
といった感情の言葉を増やしすぎることがあります。
でも、抽象的な感情だけでは、かえって薄く見えることもあります。
たとえば、
忙しい朝は大変ですよね。
これだけでも意味は伝わります。
ただ、
家を出る時間が迫っているのに鍵が見つからず、バッグの中身を全部出して探すことになった。
とすると、経験したことがある人には状況が浮かびます。
「大変」と書いていないのに、大変さが伝わります。
文章を書くときは、
いつ?
どこで?
何をしているとき?
何が困る?
その結果、どうなる?
と順番に具体化してみると使いやすいです。
たとえば、
「家事が大変」
なら、
「夕食を作ったあとに洗い物がたくさん残り、片づけるころにはもう寝る時間が近い」
まで具体化できます。
「商品選びが難しい」
なら、
「似た商品を何ページも見比べたのに、違いがよく分からず結局決められない」
まで具体化できます。
共感される文章では、感情を直接説明するだけでなく、その感情が生まれる場面を見せることも有効です。
5.読者の気持ちを決めつけすぎない
ここまで「読者を具体的に想像しましょう」と書いてきました。
ただし、具体的にするほど注意したいことがあります。
それが、想像した読者像を事実のように扱わないことです。
たとえば、
あなたも絶対に○○ですよね。
誰でも○○に悩んでいます。
と書いてしまうと、当てはまらない人は、
「いや、そこまでは思っていないけど……」
と感じます。
共感してもらおうとした文章が、逆に距離を作ってしまうわけです。
特に、
「30代ならこう感じる」
「女性ならこれが気になる」
「初心者ならここで困る」
など、年齢や性別、経験だけから気持ちまで決めるのは避けたいところです。
必要に応じて、
「〜と感じることがあります」
「〜が気になる方もいるでしょう」
「もし○○で困っているなら」
「○○を重視する方なら」
など、読者自身が「自分に当てはまるか」を判断できる書き方にします。
個人的には、共感される文章には少し余白があるほうが自然だと感じます。
すべてを言い当てようとする必要はありません。
「この人は自分のことを分かっている」と思ってもらうために、読者の気持ちを100%言い当てようとすると、かえって不自然になります。
具体的に書く。でも、読者が自分で入れる余白も残しておく。
このくらいの距離感が使いやすいでしょう。
図3:共感される文章を書く5つのポイント

読者の気持ちが分からないときはどうする?
ここまで読んで、
「読者の場面や感情を具体化すると言われても、そもそも読者が何を考えているのか分からない」
と思った方もいるかもしれません。
これは実際に文章を書いていると、かなり悩みやすいところです。
自分自身が経験した悩みなら想像しやすいですが、自分とは違う立場の人へ書く場合はそう簡単ではありません。
そんなときは、無理に想像だけで読者像を作る必要はありません。
自分の想像だけで読者像を作らない
文章を書くときに「ペルソナを考える」という方法があります。
誰に向けて書くかを具体化するうえでは便利です。
ただ、細かく人物設定を作れば、必ず読者を理解できるわけではありません。
たとえば、
「35歳、女性、会社員、子ども2人」
と設定したとします。
かなり具体的に見えます。
でも、この情報だけでは、
「何に困っているのか」
「何を一番知りたいのか」
「どんな言葉で検索したのか」
までは分かりません。
むしろ、
「35歳だから、きっとこう考えるだろう」
「子どもがいるから、きっとこれが悩みだろう」
と、想像を事実のように扱ってしまうこともあります。
属性を細かく作ることより、
「実際に何に困っている人なのか」
を具体化したほうが、文章には活かしやすいことがあります。
検索キーワードや実際の質問から悩みを探す
ブログなら、読者の悩みを知る手がかりはいろいろあります。
たとえば、
- 実際に検索されているキーワード
- Search Consoleに表示される検索クエリ
- 自分のブログやSNSに届いた質問
- 商品やサービスに対するレビュー
- Q&Aなどで実際に投稿されている疑問
- SNSで使われている自然な言葉
などです。
ここで注目したいのは、**「どんな答えが書いてあるか」より、「どんな言葉で困っているか」**です。
たとえば、自分では、
「文章力を向上させたい人」
を想定していたのに、実際には、
「文章が固い」
「メールが冷たく見える」
「何度書き直してもまとまらない」
といった具体的な悩みで探している人が多いかもしれません。
この違いが分かると、文章の入口も変わります。
もちろん、他人の口コミや投稿をそのままコピーして使うわけではありません。
読者理解の材料として、
「実際の人は、どんな場面で、どんな言葉を使って困っているのか」
を見るわけです。
共感される文章は、想像力だけで作るものではありません。
観察することも、読者を理解する大切な方法です。
【図4:読者理解の材料
中央に「読者の悩み」、周囲に「検索キーワード」「Search Console」「質問」「レビュー」「Q&A」「SNS」などを配置した整理図】
Before・Afterで見る共感される文章の書き方

ここまでのポイントを、実際の文章で比べてみましょう。
今回は、ブログ・商品紹介・仕事の3つの場面で考えます。
大切なのは、Afterを丸暗記することではありません。
「何を変えたことで、読み手との距離が縮まったのか」
を見てみてください。
例1|ブログ記事
Before
ブログが読まれなくて悩んでいる人は多いです。ブログを読んでもらうためには、読みやすい記事を書くことが重要です。
間違った内容ではありません。
ただ、
「ブログが読まれない」
という大きな悩みを説明しているだけなので、読者自身の状況はまだ見えにくい状態です。
After
何時間もかけて記事を書いたのに、ほとんど読まれない。「もっと詳しく書けばいいのかな」と情報を増やしても、なかなか変わらない。そんなときは、文章量を増やす前に「読者が知りたい順番で書けているか」を確認してみましょう。
Afterでは、
時間をかけて書いた
それでも読まれない
情報を増やしてみた
という場面を加えています。
さらに、
「大変ですよね」
で終わらず、
「では、どこを確認すればいいのか」
までつなげています。
ここが大切です。
共感は、読者と一緒に悩み続けるためではありません。
「あなたが困っているのはここですね。では、一緒に整理してみましょう」
と次へ進むための入口として使うと、記事としても自然です。
例2|商品紹介
Before
このバッグは軽量で収納力があり、普段使いにおすすめです。
商品の特徴は分かります。
ただ、商品側から見た説明が中心です。
After
通勤で毎日持ち歩くバッグは、荷物を入れる前の本体重量も気になるところです。このバッグは軽さを重視して選びたい人なら、比較候補に入れやすいタイプです。
ここでは、
「通勤で毎日持ち歩く」
という利用場面から始めています。
また、
「誰にでもおすすめ」
と決めるのではなく、
「軽さを重視する人なら」
と条件を示しました。
読者は、
「私は軽さを重視しているから候補になりそう」
「私は収納力のほうが大事だから、別の商品も見てみよう」
と自分で判断できます。
商品を紹介すると、どうしても「おすすめです」と言いたくなります。
でも、共感を考えるなら、商品の魅力を強く言う前に、
「この人は、なぜこの商品を探し始めたのだろう?」
と考えてみる。
その理由から文章を始めると、売り込み感も少し抑えやすくなります。
【内部リンク3:「売り込み感のない文章の書き方」へ
導線例:商品紹介がどうしても押しつけがましくなってしまう場合は、「売り込み感のない文章の書き方」も参考になります。】
例3|仕事や日常の文章
Before
会議資料の提出期限は木曜日です。忘れずに提出してください。
必要な情報は伝わっています。
ただ、受け取る側からすると、
「なぜ木曜日?」
と思うかもしれません。
After
金曜日の会議で使用するため、資料は木曜日17時までに共有をお願いします。確認や修正が必要な場合に備えて、少し早めの締め切りにしています。
この例では、
「大変だと思いますが」
「お忙しいところ申し訳ありません」
といった共感フレーズを追加したわけではありません。
その代わり、
なぜその期限なのか
を伝えています。
理由が分かることで、相手は依頼の意図を理解しやすくなります。
ここからも分かるように、共感される文章は、必ずしも感情的な文章ではありません。
相手の立場から、
「ここが分からないかもしれない」
「理由が分かれば納得しやすいかもしれない」
と考えて情報を補うことも、相手目線の伝え方です。
図5:Before/After比較

共感される文章で注意したい3つのこと
共感を意識すると、文章は読者に近づきやすくなります。
一方で、やりすぎると不自然になることもあります。
ここでは特に気をつけたい3点を整理します。
共感と迎合は違う
共感することと、相手の意見に何でも賛成することは別です。
たとえば読者が、
「このサービスは高すぎる」
と感じていたとします。
共感を意識するからといって、
本当に高すぎますよね。もっと安くするべきです。
と同意する必要はありません。
代わりに、
毎月支払うサービスなら、「この金額を払い続ける価値があるのか」は気になるところです。
と、なぜ価格が気になるのかを理解したうえで、判断材料を提示できます。
まず、
「なぜそう感じるのか」
を理解する。
そのうえで必要な情報を示し、判断は読者に委ねる。
これでも十分、相手を考えた文章になります。
共感は「あなたの言うとおりです」と合わせることではなく、「なぜそう感じるのかを理解しようとすること」です。
読者の不安を必要以上に煽らない
不安は強い感情なので、文章にも使われやすいものです。
たとえば、
そのままでは、あなたのブログは誰にも読まれません。
と書けば、目を引くかもしれません。
でも、読者の不安を必要以上に大きくしてから解決策を提示する方法は、このサイトで考える「共感」とは少し違います。
同じテーマでも、
記事がなかなか読まれないときは、文章力だけでなく、読者が知りたい内容とのズレも確認してみましょう。
と伝えられます。
読者が不安に思っていることを理解するのと、その不安をさらに大きくすることは別です。
共感される文章を目指すなら、読者の不安を見つけたときに、それを利用して煽るのではなく、
「何が不安なのか」を整理して、次の判断につなげる
ことを意識したいですね。
実体験がないのに「私も同じでした」と書かない
個人ブログでは、
私も以前、同じことで悩んでいました。
という文章をよく見かけます。
本当に経験しているなら、実体験はとても参考になります。
自分がどこで困り、何を試し、どう感じたのか。
こうした情報は、個人ブログならではの価値にもなります。
ただ、共感してもらいたいからといって、経験していないことまで「私も経験しました」と書く必要はありません。
実体験がなくても、
「何度書き直しても文章がしっくりこない」という悩みは、文章を書いていると起こることがあります。
と、読者の状況を整理できます。
あるいは、
実際にどこで困りやすいのかを調べてみると、「書き出しが決まらない」「文章が固くなる」といった悩みが見えてきます。
という書き方もできます。
自分に経験がない場合は、無理に読者と同じ立場を演じるより、
「何に困っているのかを丁寧に理解する」
ほうが自然です。
個人ブログだからこそ、
自分が経験したこと
と、
調べて分かったこと
は分けて書きたいところです。
共感だけで終わらず「伝わる文章」につなげる

ここまで「共感される文章」に絞って見てきました。
ただ、共感は文章のゴールとは限りません。
ブログなら、疑問を解決する。
仕事なら、必要な情報を理解してもらう。
商品紹介なら、読者が自分に合うか判断できるようにする。
案内文なら、必要な行動が分かるようにする。
それぞれ、その先に目的があります。
そのため、
共感する
↓
必要な情報を分かりやすく伝える
↓
判断材料を整理する
↓
必要なら次の行動を示す
という先まで考えることが大切です。
たとえば、
ブログが読まれなくてつらいですよね。頑張っているのに結果が出ないと落ち込みますよね。
だけで終われば、気持ちには寄り添えても、読者が次にどうすればいいのかは分かりません。
そこで、
記事がなかなか読まれないときは、記事を増やす前に「検索した人が知りたいこと」と「記事で答えていること」が合っているか確認してみましょう。
と次につなげます。
共感したうえで、読者が知りたかった情報へ案内する。
ここまでできると、単に「寄り添う文章」から、読者の役に立つ文章へ進んでいきます。
そして文章全体を考える場合は、共感だけではありません。
相手目線で考える。
商品の特徴を、読者にとっての意味へ変える。
必要に応じて具体例やストーリーを使う。
読みやすく整理する。
読み終わったあと、必要なら次の行動を示す。
こうした要素を、目的に合わせて組み合わせていきます。
共感だけでなく、相手目線・ベネフィット・ストーリー・CTAまで含めて文章全体を組み立てたい方は、「人の感情を動かすライティング術|ブログ・仕事・自治会で使える文章の書き方」で全体像を確認できます。
この記事が「共感をどう文章にするか」を扱うページだとすれば、そちらは「伝わる文章全体をどう組み立てるか」を扱う実践編です。
まとめ|共感される文章は「読者を具体的に想像する」ことから始まる
共感される文章を書くために、特別に感情的な言葉をたくさん使う必要はありません。
「わかります」
「大変ですよね」
と繰り返すだけでもありません。
大切なのは、
この人は、どんな場面で困っているのか。
そのとき、どんなことを感じているのか。
何を知りたくて、この文章を読んでいるのか。
と、読者を具体的に考えることです。
もし「文章を書くのが苦手」という悩みなら、そこで止めない。
どこで手が止まるのか。
何度も書き直すのか。
何を不安に感じているのか。
どんな状態になれば「書けた」と思えるのか。
一段ずつ具体的にしていくと、文章に使える言葉が見えてきます。
そして、想像だけで決めつけないことも大切です。
検索キーワードや実際の質問などを見てみると、自分が想像していたのとは違う悩みが見つかることもあります。
読者の気持ちを理解しようとする。
でも、分かったつもりにならない。
不安を見つけても、必要以上に煽らない。
実体験がなければ、無理に「私も同じでした」と合わせない。
そのうえで、読者が知りたい情報を分かりやすく届ける。
私は、この順番を意識するほうが、表面的な「共感フレーズ」を増やすよりも自然だと考えています。
共感される文章は、うまい言葉を探すことより、「文章の向こう側にいる人」を具体的に見ることから始まります。


