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伝えたいことがまとまらないときは?文章を書く前の整理方法

伝わる文章の書き方

「伝えたいことはあるのに、文章にしようとするとうまくまとまらない」

書き始めてみたものの話があちこちに広がったり、読み返して「結局、何が言いたいんだろう」と感じたりすることはありませんか。

そんなとき、文章力が足りないからだと考えてしまいがちです。

でも、原因は文章の書き方ではなく書く前の段階で伝えたいことがまだ整理されていないことにあるかもしれません。

伝わりやすい文章を書くには、きれいな言葉を選ぶ前に、

「誰に」「何を」「どの順番で伝えるのか」

を整理することが大切です。

基本的には、

整理する → 必要な情報を選ぶ → 順番を決める → 文章にする

という流れで考えます。

この記事では、頭の中にある伝えたいことを5つのステップで整理する方法を紹介します。

文章を書き始める前はもちろん、「書いたけれどうまくまとまらない」というときにも使える方法です。


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  1. 伝えたいことがまとまらないときは、いきなり文章を書かない
  2. 伝えたいことがまとまらなくなる3つの原因
    1. 伝えたいことを全部入れようとしている
    2. 一番伝えたいことが決まっていない
    3. 自分が知っている順番で説明している
  3. 伝えたいことを整理する5つのステップ
    1. 1.誰に伝えるのかを決める
    2. 2.一番伝えたいことを一つ決める
    3. 3.相手が知っていること・知らないことを整理する
    4. 4.伝えるために必要な情報を選ぶ
      1. 必要な情報
      2. あると理解しやすい情報
      3. 今回はなくてもよい情報
    5. 5.相手が理解しやすい順番に並べる
  4. 実際に「まとまらない文章」を5ステップで整理してみよう
  5. 迷ったときは「相手にどうなってほしいか」から逆算する
  6. 整理した内容を文章にするときに意識したいこと
    1. 一番伝えたいことを必要以上に後回しにしない
    2. 一文に情報を詰め込みすぎない
    3. 自分ではなく相手が理解しやすい順番で書く
  7. 伝えたいことを整理できたか5つの質問でチェック
    1. 1.誰に伝える文章なのか言える?
    2. 2.一番伝えたいことを一文で言える?
    3. 3.相手が知らない前提を飛ばしていない?
    4. 4.なくても意味が通じる情報を詰め込んでいない?
    5. 5.相手が理解しやすい順番になっている?
  8. まとめ|うまく書こうとする前に「何を伝えるか」を整理しよう

伝えたいことがまとまらないときは、いきなり文章を書かない

文章がまとまらないと、

「もっとわかりやすい言葉にしよう」
「文章を短くしよう」
「表現を変えてみよう」

と、書いた文章を直したくなることがあります。

もちろん、それで読みやすくなることもあります。

ただ、何度書き直してもまとまらないなら、一度文章そのものから離れてみるのも方法です。

たとえば、頭の中に、

  • これも伝えたい
  • あれも説明しておきたい
  • この理由も知ってほしい
  • 注意点も書いたほうがいい
  • でも長くしたくない

といった情報が同時に浮かんでいるとします。

この状態で文章を書き始めると、「考える」「選ぶ」「並べる」「文章にする」という複数の作業を同時にすることになります。

すると、途中で新しい情報を思い出して付け足したり、説明が前後したりしやすくなります。

そこで、文章を書く作業をいったん分けます。

何を伝えるか整理する。

そのあとで、

どの情報が必要か選ぶ。

さらに、

どの順番で伝えるか決める。

ここまでできてから文章にします。

文章がまとまらないときほど、いきなり「うまく書こう」としないこと。

まずは書ける状態まで頭の中を整理することから始めてみましょう。


伝えたいことがまとまらなくなる3つの原因

頭の中ではわかっているのに、文章にするとまとまらない。

そんなときは、「文章が苦手」とひとまとめにするより、どこで整理できていないのかを見つけたほうが改善しやすくなります。

代表的な原因を3つ見てみましょう。

伝えたいことを全部入れようとしている

伝えたいことがたくさんあると、できるだけ詳しく説明したくなります。

「これを書かないと誤解されるかもしれない」
「この情報も役に立つかもしれない」

と考えているうちに、文章がどんどん長くなることもあります。

詳しく説明すること自体が悪いわけではありません。

問題は、情報の重要度が整理されないまま並んでいることです。

たとえば、新しいサービスについて説明するとします。

伝えようと思えば、

  • どんなサービスなのか
  • なぜ作ったのか
  • どんな機能があるのか
  • 以前と何が違うのか
  • いつから使えるのか
  • どんな人に向いているのか
  • 使うときの注意点

など、いくらでも情報は出てきます。

しかし、読み手が最初に知りたいことまで同じとは限りません。

「来月からサービス内容が変わります」と知らせる文章なら、開発の背景よりも、いつ・何が変わり・自分に何が関係するのかのほうが先に必要でしょう。

情報量ではなく、

「今、この相手に必要なのはどの情報か」

で選ぶことが大切です。

一番伝えたいことが決まっていない

文章を書く前に、自分へ一度こう聞いてみてください。

「結局、この文章で一番伝えたいことは何?」

ここに一文で答えられないと、文章を書いている途中で中心がぶれやすくなります。

たとえば、

新しい予約方法について説明したい。

これでもテーマはわかります。

ただ、まだ少し広いですね。

そこで、

来月から予約方法が電話予約からWeb予約に変わることを伝えたい。

まで具体化してみます。

すると、次に必要な情報も見えてきます。

「いつから変わる?」
「今までの方法は使えなくなるの?」
「Webではどうやって予約するの?」

というように、中心となるメッセージを決めることで、その周りに必要な情報を置けるようになります。

もちろん、文章の中で伝えることが一つしかあってはいけないわけではありません。

大切なのは、複数の情報をまとめる中心軸があることです。

自分が知っている順番で説明している

書き手と読み手には、持っている情報に差があります。

これは文章を書くときに意外と見落としやすいポイントです。

書き手は、そのテーマについて考えたり調べたりしたあとで文章を書きます。

そのため、

「これは当然知っているだろう」
「ここは説明しなくてもわかるだろう」

と思いやすくなります。

ところが、初めてその話を聞く相手にとっては、その前提自体がわからないことがあります。

逆もあります。

相手がすでに知っていることを最初から細かく説明すると、「知りたいところになかなかたどり着かない」と感じさせてしまいます。

つまり、伝えるときには、

自分が知っている順番

ではなく、

相手が理解できる順番

に情報を並べ直す必要があります。

「何を説明するか」だけでなく、**「相手は何から知れば、この話を理解できるだろう?」**と考えてみると、順番を決めやすくなります。

【関連記事:「読者目線の文章とは?」】

相手が何を知りたいのかを考えて文章を組み立てる方法は、「読者目線の文章とは?」でも詳しく紹介しています。


伝えたいことを整理する5つのステップ

ここから実際に、頭の中にある情報を整理してみましょう。

難しい方法ではありません。

次の5つを順番に考えます。

1.誰に伝える?
2.一番伝えたいことは?
3.相手は何を知っていて、何を知らない?
4.何を伝える必要がある?
5.どの順番なら理解しやすい?

【図2:伝えたいことを整理する5ステップ】

頭の中だけで考えにくい場合は、紙やメモアプリに短い言葉で書き出してみると整理しやすくなります。

1.誰に伝えるのかを決める

最初に考えるのは文章ではなく、相手です。

同じ内容でも、誰に伝えるかによって必要な説明は変わります。

たとえば、新しい業務ツールについて説明するとしましょう。

初めてその種類のツールを使う人なら、

「何のために使うのか」
「何ができるのか」
「最初に何をすればいいのか」

といった基本的な情報が必要です。

一方、似たツールをすでに使っている人なら、

「今までと何が違うのか」
「操作方法は変わるのか」

といった違いのほうが知りたいかもしれません。

相手を考えずに書くと、説明不足にも説明過多にもなりやすくなります。

「誰にでも伝わるように」と広く考えるより、まずは、

「今回、この文章を読むのは誰?」

と考えてみてください。

ここが決まると、その後の情報選びがかなり楽になります。

2.一番伝えたいことを一つ決める

次に、文章の中心となるメッセージを決めます。

できれば、一文にしてみましょう。

たとえば、

来月から社内で使用するツールが○○へ変わります。

これが中心なら、文章の役割がかなり明確になります。

そこから、

「いつ変わる?」
「何をすればいい?」
「今のツールはどうなる?」

と、読み手が次に知りたくなることを考えられます。

一番伝えたいことを決めにくいときは、

「この文章を一文しか書けないとしたら、何を書く?」

と考えてみてください。

残った一文が、文章の中心になる可能性があります。

3.相手が知っていること・知らないことを整理する

次に確認するのが、相手との前提知識の差です。

たとえば社内ツール変更のお知らせなら、相手は「現在どのツールを使っているか」は知っています。

しかし、

「なぜ変更するのか」
「新しいツールは何か」
「いつ変更するのか」
「事前に何をするのか」

は知らないかもしれません。

この差を整理します。

ここで大切なのは、相手の知識を完全に当てることではありません。

「自分が知っているから説明を省いていないか」

を確認するだけでも意味があります。

特に専門知識がある人ほど、初心者にはわからない言葉や前提を無意識に使いやすくなります。

反対に、相手が知っていることまで細かく説明すると、本当に必要な情報が埋もれます。

相手との知識差を考えることは、説明を増やすためだけでなく、不要な説明を減らすためにも役立ちます。

4.伝えるために必要な情報を選ぶ

ここまで整理したら、頭の中にある情報を選別します。

迷ったときは、3つに分けてみてください。

必要な情報

これがないと、相手が内容を理解したり判断したりできない情報です。

あると理解しやすい情報

具体例や補足説明など、なくても意味は通じるものの、あると理解しやすくなる情報です。

今回はなくてもよい情報

テーマには関係しているものの、今回の目的には直接必要ではない情報です。

この3つに分けるだけでも、文章に入れる情報を選びやすくなります。

特に難しいのが「今回はなくてもよい情報」です。

自分が知っていることや、時間をかけて調べたことは、つい文章に入れたくなります。

でも、情報を削ることは、その情報に価値がないという意味ではありません。

今の相手が、今の目的を達成するために必要か。

この基準で考えます。

必要のない情報を外すことで、重要な情報が見えやすくなることもあります。

5.相手が理解しやすい順番に並べる

最後に、選んだ情報を並べます。

ここで意識したいのが、

「次の情報を理解するために、その前に何を知っている必要がある?」

という考え方です。

たとえば社内ツール変更なら、

  1. ツールが変更になる
  2. いつ変更になる
  3. 新しいツールは何か
  4. 事前に何をする必要があるか
  5. 詳細はどこで確認できるか

と並べられます。

もちろん、最適な順番は文章の目的によって変わります。

大切なのは「この型が正解」と覚えることではありません。

相手が途中で迷子にならない順番になっているか

を確認することです。


実際に「まとまらない文章」を5ステップで整理してみよう

ここまでの方法を、具体例で確認してみます。

社内で使用するツールが変更になることを伝えるケースを考えます。

頭の中には、こんな情報があるとします。

新しいツールは便利な機能もありますし、来月から使うことになっています。今まで使っていたものとはログイン方法も少し違います。事前にアカウントを作ってほしいのですが、マニュアルも用意しています。旧ツールから変更する理由も説明したほうがいいかもしれません。

情報はいろいろあります。

ただ、このまま書き進めると、どこから説明すればよいのか迷いそうです。

そこで5ステップを使います。

1.誰に伝える?
→ 新しいツールを利用する社内メンバー。

2.一番伝えたいことは?
→ 来月から使用するツールが変更になる。

3.相手がまだ知らないことは?
→ 新しいツール名、変更日、事前準備。

4.今回必要な情報は?
→ 変更日、ツール名、アカウント作成、マニュアルの確認先。

5.どの順番なら理解しやすい?
→ 変更のお知らせ → 変更日 → 必要な準備 → 詳細確認。

ここまで整理すると、文章にしやすくなります。

たとえば、

来月から、社内で使用するツールを○○へ変更します。変更日は○月○日です。利用開始前にアカウントの作成が必要になるため、○月○日までに登録をお願いします。登録方法や詳しい使い方は、社内マニュアルで確認できます。

これなら、

何が変わるのか → いつ変わるのか → 自分は何をすればいいのか

が順番にわかります。

【図4:「整理前 → 5ステップ → 整理後」のBefore / After図解】

難しい言葉を使ったわけでも、特別なライティングテクニックを使ったわけでもありません。

違うのは、文章を書く前に情報を整理したことです。

文章を何度直してもまとまらないときは、言葉ではなく、その前の情報整理に戻ってみてください。


迷ったときは「相手にどうなってほしいか」から逆算する

5ステップで整理しても、

「この情報は入れたほうがいいのかな?」

と迷うことがあります。

そんなときに使えるのが、

「この文章を読んだあと、相手にどうなっていてほしい?」

という問いです。

文章の目的は、いつも「行動してもらうこと」とは限りません。

たとえば、

  • 事実を知ってもらう
  • 内容を理解してもらう
  • 違いを比較できるようにする
  • 自分で判断できるようにする
  • 必要な行動ができるようにする

などがあります。

営業時間変更のお知らせなら、新しい営業時間を正しく知ってもらえれば目的を達成できるでしょう。

商品の比較記事なら、単に商品の違いを知るだけでなく、自分にはどちらが合っているのか判断できることまで必要になるかもしれません。

申し込み方法の説明なら、読み終えたあとに自分で申し込めるところまで案内する必要があります。

このように読後の状態を決めると、

「その状態になるために必要な情報は何?」

と逆算できます。

何を書くか迷ったときに、書き手側から情報を増やしていくのではなく、読み手側から必要な情報を戻って考える方法です。


整理した内容を文章にするときに意識したいこと

伝える内容を整理できたら、次は文章にします。

ここから先は文章表現の領域なので、今回の記事では基本だけに絞ります。

一番伝えたいことを必要以上に後回しにしない

背景や理由を丁寧に説明してから結論を書きたくなることがあります。

ただ、読み手はまだ「何について説明されているのか」を理解していません。

特に、お知らせや説明文では、一番重要な内容を早めに示したほうが、その後の情報を理解しやすくなります。

「結論を最初に書く」と機械的に決める必要はありませんが、重要な答えを必要以上に隠さないことは意識しておきたいところです。

一文に情報を詰め込みすぎない

せっかく情報を整理しても、一つの文に全部詰め込むと読みづらくなります。

たとえば、

来月からツールが変更になり、新しいツールではログイン方法も変わるため事前にアカウントを作成していただき、詳しい方法についてはマニュアルを確認してください。

でも意味は伝わります。

ただ、

来月から使用するツールが変更になります。
新しいツールでは、事前にアカウントの作成が必要です。
登録方法はマニュアルで確認できます。

と分けたほうが、情報の区切りが見えやすくなります。

文章は短ければよいわけではありません。

一度に理解しなければならない情報を増やしすぎないことが大切です。

【内部リンク:「読まれない文章の特徴」】

文の長さや情報の詰め込みすぎなど、「途中で読みにくくなる原因」は「読まれない文章の特徴」でも詳しく整理しています。

自分ではなく相手が理解しやすい順番で書く

最後にもう一度、文章の順番を確認します。

書き手は背景事情をよく知っているので、

「まず変更理由を詳しく説明して、それから変更内容を伝えよう」

と考えることがあります。

でも読み手が最初に、

「結局、何が変わるの?」

と知りたいなら、変更内容を先に示したほうが理解しやすいでしょう。

自分が話しやすい順番ではなく、相手が知りたい順番。

この違いを意識するだけでも、文章の伝わり方は変わります。

【関連記事:「読者目線の文章とは?」】

「相手が知りたい順番」をもう少し掘り下げたい方は、「読者目線の文章とは?」で考え方を紹介しています。


伝えたいことを整理できたか5つの質問でチェック

最後に、実際に使える形にしておきましょう。

文章を書き始める前や、「書いたけれど何かまとまらない」と感じたときは、次の5つを確認してみてください。

1.誰に伝える文章なのか言える?

「みんな」ではなく、今回の文章を読む相手をイメージできているか確認します。

2.一番伝えたいことを一文で言える?

難しければ、まだ中心となるメッセージが広すぎる可能性があります。

3.相手が知らない前提を飛ばしていない?

自分には当たり前でも、相手には説明が必要な情報がないか確認します。

4.なくても意味が通じる情報を詰め込んでいない?

「知っているから書く」のではなく、「相手に必要だから書く」になっているかを見ます。

5.相手が理解しやすい順番になっている?

自分が説明したい順番ではなく、読み手が理解するために必要な順番になっているか確認します。

【図6:保存して使える「伝える前の5つのチェックリスト」】

全部にきれいに答えられなくても問題ありません。

このチェックの目的は点数をつけることではなく、どこで文章がまとまらなくなっているのかを見つけることです。

「誰に」が曖昧なら、相手を考え直す。

「一番伝えたいこと」が決まらないなら、中心メッセージを絞る。

「必要な情報」が多すぎるなら、優先順位をつける。

このように原因が見えれば、文章全体を書き直さなくても、直す場所を見つけやすくなります。


まとめ|うまく書こうとする前に「何を伝えるか」を整理しよう

伝えたいことがまとまらないとき、すぐに「文章力がないから」と考える必要はありません。

文章を書く前の情報整理で解決できることもあります。

まずは、

誰に伝えるのか。
一番伝えたいことは何か。
相手は何を知っていて、何を知らないのか。
今回伝える必要がある情報は何か。
どの順番なら理解しやすいのか。

この5つを整理してみてください。

特に大切なのは、自分が何を書きたいかだけで考えないことです。

「読んだあと、相手にどうなってほしいか」まで考えると、何を入れて何を外すべきか判断しやすくなります。

文章をわかりやすくするのは、言葉選びやテクニックだけではありません。

伝わる文章は、書き始める前の整理から始まります。

伝える内容が整理できたら、次は「どの順番で文章にするか」です。

結論をどこに置くのか、理由や具体例をどう並べるのか。ここまで考えられるようになると、頭の中で整理した内容を、相手が理解しやすい文章へ変えやすくなります。

【関連記事:今後作成する「PREP法とは?」】

次は、整理した内容を「結論→理由→具体例」のように文章へ組み立てる方法を確認してみましょう。「PREP法とは?」で具体的な使い方を紹介します。


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