文章を書いていると、
「気づいたら説明が長くなっている」
「同じことを何度も書いている気がする」
「削りたいけれど、どこを消せばいいかわからない」
と感じることがあります。
文章が長くなると、まず「一文を短くしよう」と考える人は多いです。
もちろん、一文が長すぎると読みにくくなります。
ただ、文章全体がくどく感じる原因は、それだけではありません。
一文一文は短くても、
似た意味を何度も書いている
補足を足しすぎている
前置きが長い
結論のあとにもう一度説明している
という状態なら、全体としては長く感じます。
たとえば、
「この方法は簡単です。難しい操作はありません。初心者でも取り組みやすいです。初めての人でも使いやすい方法です。」
という文章。
一文ずつ見ると、それほど長くありません。
でも、読んでいると少しくどく感じます。
理由は、文の長さよりも、
「簡単」
「難しくない」
「初心者でも使いやすい」
という似た内容が何度も出ているからです。
文章をすっきりさせたいときは、文字数だけを見るのではなく、
「この説明、本当に全部必要かな」
と考えてみることが大切です。

この記事では、一文を短くする方法ではなく、
複数の文や段落の中から、
重複している説明
なくても意味が変わらない補足
長すぎる前置き
を見つける方法を整理します。
大切なのは、とにかく文章を短くすることではありません。
読者に必要な情報を残したまま、同じことを何度も説明しない文章に整えることです。
説明が長くなるのは「一文が長い」からとは限らない
文章が長いと聞くと、まず一文の長さが気になるかもしれません。
一文の中に、
誰が
何をして
なぜそうなって
どういう結果になったのか
まで詰め込むと、確かに読みづらくなります。
ただ、一文を短く分けても、同じ内容を何度も説明していれば全体はすっきりしません。
たとえば、
「この方法は簡単です。難しい操作はありません。初心者でも取り組みやすいです。初めての人でも使いやすい方法です。」
という文章。
一文ずつは短いですよね。
それでも長く感じるのは、
簡単
難しくない
初心者向け
初めてでも使いやすい
という近い意味が並んでいるからです。
これなら、
「この方法は、初心者でも取り組みやすい内容です。」
くらいにまとめても、中心となる意味は残ります。
文章の長さを見るときは、
「一文が長いか」
だけでなく、
「同じ内容を何度も説明していないか」
も確認してみてください。
一文の長さと、説明全体の長さは別の問題です。
ここを分けて考えると、文章を削るポイントが見つけやすくなります。
【図1:一文は短いのに説明全体が長くなる文章と、重複を整理した文章の比較】

【関連記事1:一文を短くする方法の記事】
同じことを何度も説明してしまう4つの原因
説明が長くなるときには、いくつかよくあるパターンがあります。
自分の文章がどれに当てはまりやすいかを見るだけでも、直し方がわかりやすくなります。
言い換えながら同じ意味を繰り返している
前の記事でも触れたように、同じ言葉を避けようとすると、別の表現に変えながら同じ意味を何度も書いてしまうことがあります。
たとえば、
「読みやすい文章です。理解しやすい文章です。内容もわかりやすくなっています。」
という文章。
言葉は少しずつ違います。
でも、伝えていることはかなり近いです。
読みやすい
理解しやすい
わかりやすい
は、文脈によって多少意味は違います。
ただ、ここで3つとも本当に必要かというと、そうとは限りません。
これなら、
「内容を理解しやすい文章です。」
とひとつにまとめても十分な場合があります。
文章を削るときは、同じ単語だけではなく、
「この文とこの文は、結局同じことを言っていない?」
と見てみてください。
言葉が違っていても、意味が重なっていれば削れる可能性があります。
不安で補足を足しすぎている
文章を書いていると、
「これだけだと説明不足かも」
「もう少し書いたほうが親切かな」
「この場合の例外も書いておいたほうがいいかも」
と不安になることがあります。
そこで、
「ちなみに」
「念のため」
「少し補足すると」
「もうひとつ付け加えると」
と情報を足していくと、文章はどんどん長くなります。
補足そのものが悪いわけではありません。
読者が理解するために必要なら、もちろん残したほうがいいです。
ただし、
なくても意味が変わらない
本文ですでに説明している
本題から少し離れている
ごく一部の人にしか関係しない
という補足まで全部残すと、何が大事なのかわかりにくくなります。
「親切に書く」と「知っていることを全部書く」は同じではありません。
読者に今必要なものだけを残す。
この意識を持つと、文章のボリュームを調整しやすくなります。
前置きが長くなっている
説明を丁寧にしようとすると、結論の前に前置きが増えることがあります。
たとえば、
「文章を書くうえではさまざまな考え方があります。また、人によって書き方にも違いがあります。そのため、一概には言えませんが、文章を読みやすくするためには……」
という流れ。
慎重に説明しようとしているのは伝わります。
でも、読者が知りたいのが、
「どうすれば読みやすくなるの?」
ということなら、少し結論まで遠く感じます。
これなら、
「読みやすくしたいなら、まず重複した説明を減らしてみましょう。書き方に正解はありませんが、同じ内容が続くとくどく見えやすくなります。」
としたほうが、伝えたいことが早く見えます。
前置きを全部なくす必要はありません。
背景や条件が必要な場面もあります。
ただ、
「この前置きがなくても、読者は結論を理解できる?」
と一度考えてみると、削れる部分が見つかります。
結論のあとにもう一度説明している
結論を書いたあとに、
「つまり」
「言い換えると」
「要するに」
と、同じ内容をもう一度説明してしまうこともあります。
たとえば、
「同じ意味の説明が続くと、文章はくどくなります。つまり、似た内容を何度も書かないことが大切です。要するに、重複した説明を減らしましょう。」
ほぼ同じことを3回伝えています。
強調したい気持ちはわかります。
ただ、一度で十分伝わる内容なら、何度も言い直す必要はありません。
逆に、
結論が少し難しい
具体例がないとイメージしづらい
誤解されやすい
という場合は、補足や言い換えがあったほうが親切です。
つまり、
「言い直すことが悪い」
のではありません。
「言い直す必要があるか」
を見ることが大切です。
【図2:同じことを何度も説明してしまう4つの原因】

【関連記事2:同じ言葉を繰り返さない文章の書き方|くどい表現を自然に直すコツ】
文章を削るときは「必要・補足・重複」に分けて考える
文章を削ろうとすると、
「どこを消していいかわからない」
となりやすいです。
そんなときは、文を3つに分けて考えると整理しやすくなります。
1つ目は「必要」です。
これがないと意味が伝わらない情報です。
たとえば、
結論
理由
条件
注意点
対象
数字や事実
などです。
2つ目は「補足」です。
あると理解しやすいけれど、なくても本文の意味は通る情報です。
具体例
追加説明
背景
ちょっとした注意
補助的な体験談
などが当てはまります。
3つ目は「重複」です。
すでに別の文で伝えている内容です。
この3つに分けると、
何を残して
何を短くして
何を削るか
が見えやすくなります。
文章を削るときは、まず「重複」から見るのがおすすめです。
重複は、消しても情報量がほとんど減らないからです。
次に、補足が本当に必要か確認します。
最後まで「必要」に分類した情報は残します。
この順番なら、削りすぎにくくなります。
【図3:文章を「必要・補足・重複」に分けて整理する判断図】

まず削りやすいのは「同じ意味の繰り返し」
文章を削るときに、一番見つけやすいのが同じ意味の繰り返しです。
たとえば、
「この方法は簡単です。難しくありません。初心者でも取り組みやすいです。」
という文章。
3文ありますが、かなり近い内容です。
これなら、
「この方法は、初心者でも取り組みやすい内容です。」
とまとめられます。
別の例では、
「この文章は読みやすいです。内容を理解しやすいです。スムーズに読めます。」
という文章。
これも、
「内容を追いやすく、読み進めやすい文章です。」
くらいにまとめられるかもしれません。
削るときは、
「似た言葉があるか」
ではなく、
「意味が重なっていないか」
を見るのがポイントです。
特に、
わかりやすい
理解しやすい
把握しやすい
簡単
難しくない
取り組みやすい
安心
不安が少ない
気軽に使える
などは、文脈によって意味が近くなることがあります。
全部を残す必要があるか、一度確認してみてください。
なくても意味が変わらない補足を見つける
次に見るのが補足です。
たとえば、
「この方法なら文章を見直しやすくなります。ちなみに、文章を見直すときは時間を空けてもいいでしょう。少し補足すると、翌日に読む方法もあります。」
という文章。
本文のテーマが「文章を削る方法」なら、後半は少し横道にそれています。
もちろん、
「時間を空けて読み返す」
という情報自体は役立ちます。
ただ、その場で必要とは限りません。
こういうときは、
削る
別の記事に回す
関連記事としてつなぐ
補足ボックスに分ける
という方法があります。
情報を持っているからといって、すべて本文に入れる必要はありません。
読者が今知りたいことに必要かどうかで判断します。
これは個人ブログでは特に大切です。
せっかく知っていることだから書きたくなる。
関連する話も伝えたくなる。
その気持ちは自然です。
でも、ひとつの記事に全部入れるより、
「ここではここまで」
と決めたほうが、読みやすくなります。

前置きを短くすると結論が見えやすくなる
説明が長くなる人は、結論までの前置きが長いことがあります。
たとえば、
「文章にはいろいろな書き方があります。人によって好みも違いますし、正解がひとつとは限りません。ですが、読みやすさを考えるなら、まず重複した説明を減らすことが大切です。」
という文章。
悪い文章ではありません。
ただ、この記事で一番伝えたいのが、
「重複した説明を減らす」
なら、
「読みやすくしたいなら、まず重複した説明を減らしてみましょう。文章の書き方に正解はありませんが、同じ内容が続くとくどく見えやすくなります。」
としたほうが結論が早く見えます。
前置きは、
読者の不安を和らげる
誤解を防ぐ
条件を示す
といった役割があります。
必要なときは残して大丈夫です。
ただ、
結論より前置きのほうが長くなっていないか
は見ておくといいです。
読者は、まず答えを知りたいことが多いからです。
結論を書いたあとに説明を重ねすぎない
結論を書いたあとに、
別の言い方
具体例
補足
念押し
を全部入れると、文章が長くなります。
たとえば、
「同じ意味の文が続いていたら、ひとつにまとめてみましょう。」
と書いたあとに具体例をひとつ出せば、十分伝わる場合があります。
そこからさらに、
「つまり、同じ意味はまとめるということです」
「言い換えると、重複を減らすということです」
まで続けると、少しくどくなります。
文章を書いていると、
「ちゃんと伝わったかな」
と不安になります。
その不安から、もう一度説明したくなることもあります。
ただ、読者にとっては、
「もうわかったから次へ進みたい」
ということもあります。
説明したあとは、
「ここまでで伝わるか」
を読み手の目線で見てみてください。
必要なら補足する。
十分なら次へ進む。
この切り替えができると、文章はかなり軽くなります。
削りすぎて意味が伝わらなくなるのは避ける
文章を削ることに慣れてくると、今度は短くしすぎることがあります。
たとえば、
「この方法がおすすめです。」
だけでは、
誰におすすめなのか
なぜおすすめなのか
どんな条件なのか
がわかりません。
これなら、
「文章の重複を減らしたい人は、まず似た意味の文をひとつにまとめる方法から試すと整理しやすいです。」
くらいの情報はあったほうが伝わります。
削る目的は、
文字数を減らすこと
ではありません。
必要な情報を見つけやすくすることです。
理由
条件
注意点
対象
など、読者の判断に必要な情報まで消すと、短くてもわかりにくい文章になります。
「短い=読みやすい」
とは限りません。
必要なことは残す。
不要な重複だけ減らす。
このバランスが大切です。
文章を削る前と後を比べてみよう
具体例で比べてみます。
修正前:
「この方法は簡単です。難しい操作は必要ありません。初心者でも使いやすいです。初めて文章を書く人でも取り入れやすい方法です。」
一文ずつ見ると問題ありません。
ただ、全体では同じ方向の説明が重なっています。
修正後:
「この方法は、初心者でも取り入れやすい内容です。」
かなり短くなりました。
でも、伝えたい中心は残っています。
もうひとつ見てみます。
修正前:
「文章を読みやすくするには、重複した説明を減らすことが大切です。似た意味の説明を何度も書くと、文章がくどく見えます。つまり、同じ内容を何度も説明しないことが重要です。」
修正後:
「文章を読みやすくするには、似た意味の説明を何度も重ねないことが大切です。」
この場合は、
最初の結論
理由
言い直し
が重なっていました。
全部を残すより、ひとつにまとめたほうがすっきりします。
ただし、いつもここまで短くする必要はありません。
読者が理由も知りたい記事なら、
「文章を読みやすくするには、似た意味の説明を何度も重ねないことが大切です。同じ内容が続くと、結論が見えにくくなるからです。」
くらいにしてもいいでしょう。
残す情報は、記事の目的によって変わります。
削るか迷った文は、一度なくして読んでみる
文章を見ながら考えていると、
「これは必要な気もする」
と迷うことがあります。
そんなときは、一度その文を消した状態で読んでみるのも方法です。
消したあとに、
意味が変わらない
話が自然につながる
読者が困らない
なら、その文はなくてもいい可能性があります。
逆に、
急に話が飛ぶ
理由がわからなくなる
条件が抜ける
なら、残したほうがいいです。
削るかどうかを頭の中だけで判断するより、
「なくした状態で読む」
ほうがわかりやすいことがあります。
説明を削るときは「読者が次に何を知りたいか」も見る
文章を削るときは、文そのものだけを見るのではなく、
「このあと読者は何を知りたい?」
と考えるのも大切です。
たとえば、
「重複した説明を減らしましょう」
と書いたあと、読者が知りたいのは、
どこを削ればいい?
何を残せばいい?
削りすぎない基準は?
ということかもしれません。
そこに必要な説明は残します。
反対に、
話題から少し離れた豆知識
本題とは関係の薄い経験談
すでに伝えた内容の言い直し
は、後回しにしても問題ありません。
文章を削るとは、
情報を減らすこと
だけではなく、
読者が知りたい順番に整えること
でもあります。
文章を削るときに迷ったら3つ確認する
文章を見直すときは、次の3つを確認してみてください。
1つ目は、
「この文がなくても意味は通るか」
です。
消しても意味が変わらないなら、削れる可能性があります。
2つ目は、
「同じことを別の場所ですでに書いていないか」
です。
言葉が違っていても、意味が同じなら重複している場合があります。
3つ目は、
「読者の判断に必要な情報か」
です。
理由、条件、注意点など、判断に必要なものは残します。
この3つを見ると、
「短くするために削る」
のではなく、
「必要な情報を残すために整理する」
という見方がしやすくなります。
説明を削れるようになると導入文もすっきりする
重複した説明や補足を減らせるようになると、文章全体がかなり軽くなります。
すると次に気になってくるのが、
「最初に何を伝えるか」
です。
本文がすっきりしていても、導入文が長いと、読者は本題に入る前に離れてしまうことがあります。
逆に、
どんな悩みに答える記事なのか
この記事で何がわかるのか
読むと何を判断できるのか
が早めに伝わると、その先も読み進めやすくなります。
今回の記事で、
「不要な説明を減らす」
という考え方ができるようになると、導入文も整えやすくなります。
前置きを詰め込みすぎない。
同じことを何度も言わない。
最初に必要な情報だけ置く。
この考え方は、そのまま導入文にも使えます。
次の記事では、
「読まれる導入文の書き方|最初の3行で離脱を防ぐコツ」
をテーマに、記事の最初で何を伝えると読み進めやすくなるのかを整理していきます。
【関連記事3:読まれる導入文の書き方|最初の3行で離脱を防ぐコツ】
まとめ
説明が長くなる原因は、一文が長いことだけではありません。
短い文でも、
同じ意味を何度も書く
補足を足しすぎる
前置きが長い
結論を何度も言い直す
という状態なら、文章全体はくどく見えます。
削るときは、
必要
補足
重複
の3つに分けて考えてみてください。
まず重複を減らす。
次に補足が必要か確認する。
最後まで必要な情報は残す。
この順番なら、意味を削りすぎにくくなります。
また、削るか迷った文は、一度なくした状態で読んでみるのもおすすめです。
意味が変わらず、自然につながるなら、なくてもいい可能性があります。
反対に、理由や条件がわからなくなるなら残します。
大切なのは、文字数を減らすことではありません。
読者が必要な情報を迷わず受け取れる状態にすることです。
「この文は本当に必要かな?」
と一つずつ見直していくと、説明は自然にすっきりしていきます。
そして、文章全体を整理できるようになると、次は「最初に何を見せるか」も考えやすくなります。
導入文を整えるための土台にもつながる考え方です。


