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主語がわかりにくい文章を直す方法|「誰が・何が」を伝える書き方

伝わる文章の書き方

文章を書いていると、

「誰の話をしているのかわかりにくい」
「何がどうなったのか途中で迷う」
「意味はわかるけれど、一度で頭に入ってこない」

と感じることがあります。

こうした文章は、主語が曖昧になっている可能性があります。

ただし、主語は毎回書けばいいわけではありません。

日本語では、前後の流れからわかる主語を省略することがよくあります。

むしろ、

「私は〜」
「私は〜」
「私は〜」

と繰り返してしまうと、今度は文章がくどく見えることもあります。

大切なのは、主語を何回入れたかではありません。

読者が途中で、

「誰が?」
「何が?」

と迷わず読めることです。

主語が曖昧な文章は、書いた本人には意味がわかっていることも多いです。

自分の頭の中では、

誰が行動したのか
何について説明しているのか
どこで話の主体が変わったのか

がわかっているからです。

でも、読者は初めてその文章を読みます。

そのため、書き手には自然につながって見える文章でも、読む側には突然主語が消えたように見えることがあります。

この記事では、

主語がわかりにくくなる原因
主語を書いたほうがいい場面
主語を省略してもいい場面
「これ・それ」で曖昧になる文章
主語を自然に整える方法

を具体例とともに整理します。

「主語を全部入れる」のではなく、「必要なところだけ補う」という感覚をつかんでいきましょう。

楽天

主語がわかりにくい文章は「誰の話?」で止まりやすい

文章を読むとき、読者は無意識に、

誰が
何が
どうしたのか

を追っています。

たとえば、

「確認しました。修正しました。読みやすくなりました。」

という文章があります。

短くて、見た目はすっきりしています。

でも、少し立ち止まってみると、

誰が確認したのか。

何を修正したのか。

何が読みやすくなったのか。

という部分は、文章だけでははっきりしていません。

前後の文脈があれば理解できることもあります。

ただ、直前に別の人や別の商品について話していた場合は、急に意味が曖昧になります。

たとえば、

「担当者が記事を確認しました。修正しました。」

という文章。

修正したのは担当者でしょうか。

それとも、記事を書いた本人でしょうか。

読者が一瞬でも、

「どっちだろう?」

と考えた時点で、文章の流れはいったん止まります。

読みやすい文章では、この小さな迷いをできるだけ減らすことが大切です。

主語を整える目的は、文法的に完璧な文章を作ることではありません。

読者が文章を戻って確認しなくても、意味を追えるようにすることです。

【図1:主語が曖昧な文章と、主体がわかる文章の比較】

そもそも主語は毎回書かなくてもいい

主語がわかりにくいと言われると、

「それなら全部の文に主語を入れればいいのでは?」

と思うかもしれません。

でも、日本語では主語を省略することがよくあります。

たとえば、

「私は記事を書きました。私は内容を確認しました。私は気になる部分を修正しました。」

という文章。

意味はとても明確です。

ただ、「私は」が続いて少しくどく感じます。

これなら、

「私は記事を書きました。内容を確認して、気になる部分を修正しました。」

のほうが自然です。

最初に「私」が出ているため、その後も同じ人の行動だと理解できます。

もうひとつ見てみます。

「この商品は軽量です。この商品は持ち運びやすいです。この商品は収納もしやすいです。」

これも意味は明確ですが、「この商品は」が目立ちます。

「この商品は軽量で、持ち運びやすいのが特徴です。収納もしやすいため、外出時にも扱いやすくなっています。」

とすると、主語を毎回書かなくても意味はつながります。

つまり、

主語を省略すること自体は問題ではありません。

問題になるのは、省略したことで読者が迷う場合です。

読者がわかるなら省略する。

わかりにくくなりそうなら戻す。

このくらいの感覚で十分です。

関連記事1:語尾が同じ文章を直す方法|「です・ます」が続く単調さを減らすコツ】

主語がわかりにくくなる4つの原因

主語が曖昧になる文章には、いくつか共通するパターンがあります。

「主語が抜けている」だけが原因ではありません。

途中で話の主体が変わっている

文章の中では、

書き手
読者
利用者
会社
商品
サービス

など、いろいろな主体が登場します。

たとえば、

「利用者は申し込みフォームから手続きをします。運営会社が内容を確認します。問題がなければ連絡します。」

という文章です。

最後の、

「問題がなければ連絡します。」

は、誰が連絡するのでしょうか。

前の文から考えると、運営会社だと推測できます。

でも、読者は一度考えなければなりません。

これなら、

「利用者は申し込みフォームから手続きをします。運営会社が内容を確認し、問題がなければ利用者へ連絡します。」

とすると、流れがわかりやすくなります。

主体が切り替わる場所では、主語を省略しすぎないことが大切です。

主語を省略しすぎている

同じ人や物について話している場合でも、省略が長く続くと途中でわかりにくくなることがあります。

たとえば、

「新しいサービスを使い始めました。最初に設定しました。使い方を確認しました。慣れてきました。便利だと感じました。」

何となく意味はわかります。

ただ、

誰が設定したのか
誰が慣れてきたのか
何を便利だと感じたのか

が少し曖昧です。

短い文章ならそれほど問題にならなくても、何文も続くと主体を見失いやすくなります。

文章が長くなったら、途中で一度主語を戻す。

これだけでも読みやすくなることがあります。

「これ・それ・この方法」が続いている

主語そのものではありませんが、

「これ」
「それ」
「この方法」
「その内容」

などの指示語が続く文章も、意味がぼやけやすくなります。

たとえば、

「文章を短くする方法を紹介しました。それを意識すると読みやすくなります。これを続けることが大切です。」

意味は何となくわかります。

ただ、

「それ」は何を指しているのか。

「これ」はどの行動を指しているのか。

少し考える必要があります。

これなら、

「文章を短くする考え方を意識すると、読みやすくなります。この見直しを続けることが大切です。」

としたほうが明確です。

同じ言葉を繰り返したくないからといって、すべて指示語に変える必要はありません。

読者が迷いそうなら、名詞をもう一度出したほうがわかりやすいこともあります。

一文の中に登場人物や対象が多い

主語がわかりにくくなる原因として見落としやすいのが、一文に登場する人や物が多すぎることです。

たとえば、

「担当者が利用者に説明した内容を運営会社が確認したところ、修正が必要だと伝えました。」

この文章では、

誰が誰に説明したのか
誰が確認したのか
誰が修正を伝えたのか

が一度では入りにくくなっています。

これを、

「担当者は利用者に内容を説明しました。その説明を運営会社が確認し、修正が必要だと担当者へ伝えました。」

と分けると、役割が見えやすくなります。

主語がわかりにくいと感じたら、

「主語を足せばいい」

と考えるだけではなく、

「一文に登場する人や物が多すぎないか」

も確認してみてください。

【図2:主語がわかりにくくなる4つの原因】

主語を書いたほうがいい3つの場面

では、どんなときに主語を入れたほうがいいのでしょうか。

判断しやすい3つの場面を見ていきます。

誰の行動かわかりにくいとき

もっともわかりやすいのが、

「誰がしたのかわからない」

ときです。

たとえば、

「内容を確認して、修正しました。」

という文章。

前後から書き手の行動だとわかるなら問題ありません。

ただ、その直前に担当者について説明していた場合は、

「担当者が内容を確認し、修正しました。」

のように主語を戻したほうがわかりやすくなります。

自分には明らかでも、読者には主体が変わったように見えることがあります。

話す対象が途中で変わるとき

文章の途中で、

商品から利用者へ
利用者から会社へ
書き手から読者へ

と話す対象が変わる場合も、主語を入れたほうが自然です。

たとえば、

「このサービスはオンラインで利用できます。登録するとすぐに使えます。」

この文章では、

登録するのは誰なのか

が少し曖昧です。

「このサービスはオンラインで利用できます。利用者は登録後、すぐに使い始められます。」

とすれば、主体がはっきりします。

話の対象が変わる場所は、主語を戻すポイントです。

前の主語から距離が空いたとき

最初に主語を書いても、そのあと何文も続けば読者は途中で見失うことがあります。

たとえば、

「田中さんは新しい記事を書きました。

テーマを決めるまでに少し時間がかかりました。

参考資料もいくつか確認しました。

構成を整理してから本文を書き始めました。

最後にもう一度読み返しました。」

すべて田中さんの行動だと理解できます。

でも、何文も主語がない状態が続くと、少し曖昧に感じることがあります。

そこで途中に、

「田中さんは構成を整理してから本文を書き始めました。」

と主語を戻します。

読者に、

「まだ田中さんの話ですよ」

と知らせる役割があります。

主語は、最初に一度書けば終わりではありません。

文章が長くなったら、途中で戻すことも大切です。

主語を入れすぎると逆にくどくなる

ここまで主語を補う話をしてきました。

ただ、主語は多ければいいわけではありません。

たとえば、

「私は記事を書きました。私は内容を確認しました。私は語尾を直しました。私は最後にもう一度読みました。」

意味は明確です。

でも、「私は」が何度も続いています。

これなら、

「私は記事を書いたあと、内容を確認しました。語尾を整え、最後にもう一度読み返しました。」

のほうが自然です。

商品について説明するときも同じです。

「この商品は軽いです。この商品は持ち運びやすいです。この商品は収納しやすいです。」

とすると、「この商品は」が目立ちます。

「この商品は軽く、持ち運びやすいのが特徴です。収納もしやすいため、外出時にも扱いやすいでしょう。」

とまとめれば、主語を減らしても意味は伝わります。

主語を省略するときは、

読者がまだ誰の話かわかるか

だけ確認すれば十分です。

主語がわかりにくい文章を直してみよう

ここで、具体例を見てみます。

修正前

「記事を確認しました。修正しました。読みやすくなりました。」

短い文章ですが、少し曖昧です。

これを、

「書いた記事を読み返し、気になる部分を修正しました。文章の流れも少し読みやすくなりました。」

とすると、何をしたのかがわかりやすくなります。

ここで注目したいのは、

「私は」

と主語を足していないことです。

目的語や対象を補うだけでも、意味を明確にできます。

もうひとつ見てみます。

修正前

「担当者が利用者に説明しました。確認して変更しました。」

これでは、

誰が確認したのか
誰が変更したのか

がわかりません。

修正後

「担当者が利用者に内容を説明しました。その後、利用者が内容を確認し、希望する部分を変更しました。」

主体が変わったところで「利用者」を入れています。

このように、主語を直すときは、

主語を足す
目的語を補う
一文を分ける
主体が変わるところで主語を戻す

という複数の方法があります。

「主語を書けば解決する」と考えるより、意味の流れ全体を見るほうが自然です。

【図3:主語を多く入れた文章・省略しすぎた文章・自然に整えた文章の比較】

「これ・それ」が続く文章にも注意する

文章を書いていると、

「これ」
「それ」
「この方法」
「その内容」

といった指示語をよく使います。

同じ名詞を何度も書かなくていいので便利です。

ただ、指示語が増えると、

「これは何?」
「それはどの話?」

と読者が迷うことがあります。

たとえば、

「文章の順番を整えます。それを意識すると流れがよくなります。これが読みやすさにつながります。」

意味は伝わりますが、「それ」「これ」が続いています。

これを、

「文章の順番を整えると、話の流れを追いやすくなります。この整理が、読みやすさにつながります。」

とすると、少し明確になります。

指示語を使うか迷ったら、

「前の文を読み返さなくても、何を指しているかわかるか」

を確認してみてください。

わからない場合は、名詞をもう一度書いたほうが読みやすいです。

主語が多い文章と少ない文章を比べてみよう

主語は、多すぎても少なすぎても読みづらくなります。

まず、主語が多い文章です。

「私は記事を書きました。私は文章を読み返しました。私は接続詞を確認しました。私は語尾も確認しました。」

意味は明確ですが、「私は」が目立ちます。

次に、すべて省略してみます。

「記事を書きました。文章を読み返しました。接続詞を確認しました。語尾も確認しました。」

前後に文脈があれば自然です。

ただ、この部分だけ読むと誰の行動なのかわかりません。

そこで、

「私は記事を書いたあと、文章を読み返しました。接続詞や語尾も確認し、気になるところを整えました。」

とします。

最初に主体を示して、その後は自然に省略しています。

主語は、

多ければ明確
少なければ自然

という単純なものではありません。

必要なところで出す。

わかるところでは省略する。

このバランスが大切です。

主語を入れる前に「一文が長すぎないか」も見る

主語がわかりにくいと、

「主語を足さなきゃ」

と考えがちです。

でも、原因が一文の長さにある場合もあります。

たとえば、

「担当者が商品について利用者に説明したあと会社が内容を確認して問題がなければ発送担当が手続きを進めます。」

主語は複数入っています。

それでも読みづらいです。

一文に、

担当者
利用者
会社
発送担当

が出てくるからです。

これを、

「担当者が利用者に商品について説明します。その内容を会社が確認し、問題がなければ発送担当が手続きを進めます。」

と分けると、かなり読みやすくなります。

主語を足す前に、

一文に登場する主体が多すぎないか。

一文そのものが長すぎないか。

も確認してみてください。

主語が気になったら3つだけ確認する

細かい文法ルールを全部覚える必要はありません。

文章を見直すときは、次の3つを確認してみてください。

1つ目は、

「誰が・何が」をすぐ答えられるか

です。

文を読んだ瞬間に答えられないなら、主語や対象を補ったほうがわかりやすい可能性があります。

2つ目は、

「途中で主体が変わっていないか」

です。

書き手から読者へ。

会社から利用者へ。

商品からサービスへ。

主体が変わった場所では、主語を戻すことを考えます。

3つ目は、

「主語を省略しても前後から迷わないか」

です。

同じ主体が続いていて、読者が自然に理解できるなら無理に入れる必要はありません。

この3つだけでも、主語の使い方はかなり判断しやすくなります。

主語を整えると、言葉の繰り返しも見えやすくなる

主語を意識して文章を読み返すと、今度は別の部分が気になることがあります。

たとえば、

「この商品は軽いです。この商品は持ち運びやすいです。この商品は収納しやすいです。」

という文章です。

主語ははっきりしています。

でも、「この商品は」が何度も続いています。

主語をわかりやすくしようとして、同じ言葉を繰り返しすぎると、今度は文章がくどくなります。

文章を読みやすくするには、

誰の話かわかること

と、

同じ言葉を必要以上に繰り返さないこと

の両方が大切です。

次の記事では、

「同じ言葉を繰り返さない文章の書き方|くどい表現を自然に直すコツ」

をテーマに、同じ単語や表現が続く文章の整え方を紹介します。

関連記事2:同じ言葉を繰り返さない文章の書き方|くどい表現を自然に直すコツ】

まとめ

主語がわかりにくい文章を直すときは、すべての文に主語を入れる必要はありません。

大切なのは、

読者が「誰が・何が」と迷わないことです。

主語を書いたほうがいいのは、

誰の行動かわかりにくいとき。

話す対象が変わったとき。

前に出した主語から距離が空いたとき。

こうした場面です。

反対に、同じ主体について話していて、前後から自然にわかるなら省略しても問題ありません。

また、主語がわかりにくい原因は、主語そのものだけとは限りません。

一文に登場人物が多い。

指示語が続いている。

文が長すぎる。

こうした部分を直したほうが自然になることもあります。

迷ったら、

「誰が・何が」をすぐ答えられるか。

途中で主体が変わっていないか。

省略しても読者が迷わないか。

この3つを確認してみてください。

主語は、多く書くことが目的ではありません。

必要なところに置くことが大切です。

読者が文章を戻って確認しなくても、誰の話なのか自然に追える。

そこを目指すと、主語の使い方はかなり判断しやすくなります。

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