※本ページはプロモーションが含まれています。

書いた本人にはわかるのに、なぜ相手には伝わらない?原因と伝わる文章の書き方

伝わる文章の書き方

文章を書いていて、

「ちゃんと説明したはずなのに、相手に伝わっていなかった」

という経験はありませんか。

自分ではわかりやすく書いたつもりなのに、

「これはどういう意味ですか?」
「結局、何をすればいいですか?」

と聞き返される。

メールやチャットなら、説明を追加するやり取りが何度も続いてしまうこともあります。

そんなことがあると、

「もっと文章を上手に書かないといけないのかな」

と考えてしまうかもしれません。

でも、相手に伝わらない原因は、単純に文章力だけにあるとは限りません。

書いた本人にはわかる文章が、相手にも同じようにわかるとは限らないからです。

書き手は文章を書く前から、

「何について話しているのか」
「なぜこの話をしているのか」
「その前に何があったのか」
「この言葉が何を指しているのか」

といった背景を知っています。

一方、読み手がその情報をすべて知っているとは限りません。

読み手は、基本的に「実際に書かれていること」を手がかりに意味を理解していきます。

ここに、書き手と読み手の情報差が生まれます。

そのため、伝わる文章を書くときに大切なのは、

「自分には意味がわかるか」

だけではありません。

「この文章だけを読んだ相手にも、同じように意味が伝わるか」

という視点です。

この記事では、書いた本人にはわかるのに相手には伝わらない7つの原因と、伝わる文章へ直すための考え方を具体例とともに紹介します。

難しい文章テクニックを覚える前に、まず「読み手から文章がどう見えているか」を一緒に確認していきましょう。

楽天

書いた本人にはわかるのに、なぜ相手には伝わらない?

たとえば、誰かに次のメッセージを送ったとします。

「例の件ですが、前回と同じ方法でお願いします。」

書いた本人には、これで十分意味が通じているように感じます。

なぜなら、頭の中では、

「例の件」が何なのか。

「前回」がいつなのか。

「同じ方法」がどの方法なのか。

すでにわかっているからです。

ところが、このメッセージだけを受け取った人はどうでしょう。

相手もすべての情報を共有していれば、問題なく理解できるでしょう。

でも、複数の案件についてやり取りしていたら、

「例の件ってどれだろう?」

となるかもしれません。

前回から時間が空いていれば、

「前回はどうやったんだっけ?」

と確認しなければならないかもしれません。

つまり、文章そのものが間違っていなくても、読み手が理解するための情報が不足していることがあります。

ここに、伝わらない文章を考えるうえで大切なポイントがあります。

書き手は、文章に書かれていないことまで知っています。

読み手は、書かれていることから意味を組み立てます。

【図1:書き手と読み手の情報差】

そのため、

「自分が知っている情報」と「相手が知っている情報」

を同じだと思って書くと、知らないうちに説明を飛ばしてしまうことがあります。

これは文章を書くのが苦手な人だけに起こることではありません。

むしろ、その内容をよく知っているほど、

「これは当然わかるだろう」

と前提を省略してしまうこともあります。

たとえば、仕事に慣れている人が新人へ説明するとき。

専門知識のある人が初心者向けの記事を書くとき。

長く付き合っている相手へメールを送るとき。

書き手の中では話がつながっているため、説明が抜けていることに気づきにくいのです。

文章が伝わらなかったときは、

「もっと上手な言葉を使わなければ」

と考える前に、

「自分にはわかるけれど、相手にはわからない情報が残っていないかな?」

と確認してみてください。

これだけでも、見直す場所が変わってきます。

相手に伝わらない文章にありがちな7つの原因

ここからは、相手に伝わりにくくなる代表的な原因を7つに分けて見ていきます。

すべてが当てはまる必要はありません。

自分の文章を思い浮かべながら、

「これはやっているかも」

というところを探してみてください。

1.書き手しか知らない前提を省略している

最初に確認したいのが「前提の省略」です。

文章を書いていると、自分にとって当たり前のことほど説明から抜けやすくなります。

たとえば、

「明日の資料ですが、いつもの形式でお願いします。」

という文章。

いつも同じ相手と仕事をしていて、「いつもの形式」が完全に共有されているなら、これで問題ありません。

わざわざ毎回、

「A4横向きで、1ページ目に概要を入れて……」

と説明するほうが、かえって回りくどくなるでしょう。

ところが、相手が初めて担当する人だったらどうでしょう。

「いつもの形式」がわかりません。

書き手にとっての「いつもの」は、読み手にとっての「初めて」かもしれないのです。

これはブログでも同じです。

あるテーマについて詳しくなると、基本的な言葉や仕組みを、

「このくらいは説明しなくてもわかるだろう」

と省略したくなることがあります。

しかし、その記事を読む人は、初めてそのテーマについて調べているかもしれません。

だからといって、何でも最初から説明する必要はありません。

判断基準は、

「この情報を知らなくても、次の説明を理解できるか」

です。

理解できるなら省略しても構いません。

知らないと次の話がわからなくなるなら、短く補足しておく。

「自分にとって当たり前か」ではなく、

「相手が理解するために必要か」

で考えてみると、説明する範囲を決めやすくなります。

2.「これ・それ・あれ」が何を指すのかわかりにくい

「これ」「それ」「あれ」といった指示語は、文章を自然につなぐために便利です。

同じ名詞を何度も繰り返さなくて済むため、文章もすっきりします。

問題になるのは、指示語そのものではありません。

読み手が、

「それって、どれ?」

と迷ってしまうことです。

たとえば、

「新しい資料と前回の報告書を確認しました。それを修正して送ってください。」

と書かれていたら、どうでしょう。

「それ」は、

新しい資料なのか。

前回の報告書なのか。

両方なのか。

文章だけでは判断しにくくなっています。

書いた本人の頭の中では、

「新しい資料に決まっている」

と思っているかもしれません。

でも、その答えを読み手が知っているとは限りません。

そこで、

「新しい資料と前回の報告書を確認しました。新しい資料の3ページ目を修正して送ってください。」

と対象を具体的にします。

これなら、読み手が推測する必要がありません。

もちろん、

「新しい資料を確認しました。それを修正してください。」

のように、指している対象が明らかな場合は「それ」を使っても問題ありません。

指示語を見つけるたびに削除する必要はないのです。

確認したいのは、

「読み手が前へ戻らなくても、何を指しているかわかるか」

です。

文章を読み返すとき、「これ」「それ」「あれ」を見つけたら、その言葉が指しているものを一度確認してみてください。

3.主語がなく「誰がするのか」がわからない

日本語では、主語を省略しても自然に伝わることがあります。

たとえば、

「明日行きます。」

という一文。

会話の流れから誰が行くのかわかっていれば、わざわざ、

「私は明日行きます。」

と書かなくても伝わります。

そのため、

主語は必ず入れましょう

という単純なルールにする必要はありません。

気をつけたいのは、文章の中に複数の人物が登場するときです。

たとえば、

「担当者に確認したところ、責任者にも相談してから連絡すると言っていました。」

この文章では、

「誰が責任者に相談するの?」
「誰が誰に連絡するの?」

と迷う可能性があります。

そこで、

「担当者に確認したところ、担当者から責任者へ相談したうえで、私に連絡するとのことでした。」

とすれば、関係がわかりやすくなります。

ここでも、必要なのは「主語を増やすこと」ではありません。

読み手に推測させないことです。

文章の中に人や組織が複数出てきたら、

「この動作をするのは誰?」
「その連絡を受けるのは誰?」

と確認してみてください。

書き手には自然につながって見えても、読み手には主語が途中で入れ替わって見えることがあります。

4.抽象的な言葉だけで説明している

普段何気なく使っている言葉の中には、人によって意味の幅が違うものがあります。

たとえば、

「なるべく早めに対応してください。」

という文章です。

一見すると、特に問題はないように見えます。

でも、「早め」とはいつでしょう。

書き手は、

「今日中」

を想定しているかもしれません。

読み手は、

「2〜3日以内」

と考えるかもしれません。

どちらかが間違っているわけではありません。

「早め」という言葉だけでは、基準が共有されていないからです。

もし期限が重要なら、

「今日17時までに返信してください。」

としたほうが、相手は迷わず行動できます。

ほかにも、

「しっかり確認してください」
「適切に対応してください」
「なるべく短くしてください」
「いい感じにまとめてください」

といった表現があります。

こうした言葉が悪いわけではありません。

相手との間ですでに基準が共有されていれば、それで十分なこともあります。

問題は、解釈の違いによって結果が変わってしまう場面です。

たとえば、

「なるべく短くしてください」

ではなく、

「300文字程度にまとめてください」

とする。

「早めに送ってください」

ではなく、

「明日の午前10時までに送ってください」

とする。

読み手が判断に迷いそうなところだけ具体化すると、文章を必要以上に長くせず、誤解も減らしやすくなります。

5.一度にたくさんのことを伝えようとしている

「必要なことを漏らさず伝えよう」

と思うほど、一文の中に情報を詰め込んでしまうことがあります。

たとえば、

「明日の会議では新商品の企画について話し合いますので、前回の資料を確認して必要なデータを追加し、修正した資料を今日中に共有フォルダへ保存したうえで担当者にも連絡してください。」

必要な情報は入っています。

でも読み手は、一文を読みながら、

「会議の話」
「資料の確認」
「データの追加」
「保存」
「担当者への連絡」

を同時に整理しなければなりません。

そこで、情報を削らずに分けます。

「明日の会議では、新商品の企画について話し合います。事前に前回の資料を確認し、必要なデータを追加してください。修正した資料は今日中に共有フォルダへ保存し、担当者にも連絡をお願いします。」

やることを順番に追いやすくなりました。

ここで大切なのは、

「長い文章は悪い」

ということではありません。

一文が少し長くても、ひとつの内容を自然に説明できているなら、無理に分ける必要はありません。

見直したいのは、

「一文の中で、いくつのことを伝えようとしているか」

です。

一文が長くなりやすい場合は、意味のまとまりで分ける方法を別の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:一文を短くする方法|長い文章を読みやすくする5つのコツ

6.書き手が説明したい順番で書いている

文章には、

「書き手が説明したい順番」

と、

「読み手が知りたい順番」

があります。

この2つは、必ずしも同じではありません。

たとえば、資料の修正をお願いするとします。

書き手としては、

「なぜ修正が必要になったのか、最初から説明したほうが丁寧だろう」

と考えるかもしれません。

そこで、

「昨日確認したところ、いくつか修正したほうがよいところがあり、その後担当者とも相談したのですが、明日の会議まであまり時間がないため、今日中に資料を修正していただけますか。」

と書いたとします。

経緯は丁寧に説明されています。

でも読み手が最初に知りたいのは、

「私は何をすればいいの?」

かもしれません。

その場合は、

「今日中に資料の修正をお願いします。昨日確認したところ、いくつか修正が必要な箇所がありました。明日の会議で使用するため、修正版を今日中に共有していただけると助かります。」

としたほうが、最初に用件を把握できます。

もちろん、いつでも結論から書けばよいわけではありません。

背景を理解してから結論を読んだほうがよい内容もあります。

大切なのは、

「私はどの順番で説明したい?」

だけで決めないことです。

「相手は最初に何を知りたい?」

という視点も加えてみましょう。

結論・理由・具体例などの順番を整理したい場合は、PREP法を使う方法もあります。

関連記事:PREP法とは?伝わりやすい文章の書き方を例文でわかりやすく解説

7.「書いたこと」と「伝わったこと」を同じだと考えている

ここまでの6つに共通しているのが、

「書いたから、伝わっているはず」

という思い込みです。

たとえば、期限について文章に書いたとします。

書き手からすると、

「ちゃんと期限も書いた」

ので問題ないように感じます。

でも、その期限が長い文章の途中に埋もれていたら、読み手が見落とすことがあります。

必要な情報を全部入れても、

「どれが重要なのかわからない」

という状態なら、意図したとおりには伝わらないことがあります。

つまり、

「書いてあるか」

と、

「相手が理解できるか」

は別の確認が必要です。

文章を書き終えたら、

「必要なことを書いた?」

だけでなく、

「この文章を読んだ相手は、何を理解する?」

と考えてみてください。

さらに依頼文なら、

「相手は次に何をすればいいかわかる?」

まで確認します。

この視点を持つと、文章を「書き手の完成品」として見るのではなく、「読み手が使う情報」として見直せるようになります。

「説明不足」と「説明しすぎ」の間をどう考える?

ここまで読むと、

「相手が知らない情報を補えばいいなら、できるだけ詳しく書いたほうが伝わるのでは?」

と思うかもしれません。

でも、説明は多ければ多いほどよいわけではありません。

たとえば、待ち合わせ場所を伝えるだけなのに、

「この場所には以前○○という店があって、その前は別の施設だったのですが、駅を出ると昔からある商店街があって、その先にコンビニがあり……」

と説明されたらどうでしょう。

情報はたくさんあります。

でも、

「結局、どこへ行けばいいの?」

を探すのが大変になります。

反対に、

「いつもの場所で」

だけでは、初めて来る人にはわかりません。

つまり、

説明不足では、理解するための情報が足りない。

説明しすぎると、必要な情報が埋もれる。

この両方が「伝わりにくさ」につながります。

【図2:説明不足・適切な情報・説明しすぎの違い】

目指したいのは、その間です。

「書き手が知っていることを全部書く」

のではなく、

「読み手が理解・判断・行動するために必要な情報を書く

と考えてみましょう。

情報を追加しようか迷ったら、

「この情報がないと、相手は困る?」

と考えます。

なければ理解できないなら、補う。

なくても理解できるなら、無理に入れない。

さらに、

「この情報は今ここで必要?」

と考えるのもよいでしょう。

必要だけれど今の説明には不要なら、あとで説明する方法もあります。

文章をわかりやすくするというと、

「削る技術」

に注目しがちです。

でも実際には、

「足りないものを補う」
「不要なものを省く」
「必要な場所へ移す」

という3つを使い分けることが大切です。

伝わる文章に直すための5つの質問

ここまで原因を見てきました。

では、実際に自分の文章を書いたとき、何を確認すればよいのでしょうか。

文章を書き終えたら、次の5つの質問を使ってみてください。

すべての文章を細かくチェックする必要はありません。

「これは誤解されたくない」

というメールや説明文だけでも、確認してみると役立ちます。

【図3:伝わる文章に直すための5つの質問】

1.相手は何を知っている?

まず、読み手が持っている前提知識を考えます。

同じ説明でも、

初めて聞く人。

何度もやり取りしている人。

その分野に詳しい人。

初めて学ぶ人。

それぞれ必要な情報は違います。

たとえば、毎週同じ作業をしている人に、毎回手順を最初から説明する必要はないでしょう。

反対に、初めて作業する人へ、

「いつもどおりお願いします」

と伝えてもわかりません。

文章を書く前や見直すときに、

「この人は、どこまで知っている?」

と一度考えてみてください。

それだけでも、説明不足と説明しすぎの両方を減らしやすくなります。

2.相手が知らない前提を省略していない?

次は、自分の頭の中だけにある情報を探します。

特に、

「例の」
「いつもの」
「前回と同じ」
「先ほどの」

といった言葉が出てきたら、一度確認してみましょう。

本当に相手と共有できているなら、そのままで構いません。

でも、

「もしかしたら複数の意味に取れるかも」

と思ったら、少し具体的にします。

大切なのは、文章を長くすることではありません。

相手に推測させなくてもよいところで、推測させないことです。

3.誰が・何を・いつまでにするのかわかる?

依頼や連絡の文章では、特に確認しておきたい項目です。

たとえば、

「確認後、修正して送ってください。」

と書いたとします。

前後のやり取りによっては、これだけでも十分でしょう。

でも、複数の資料を扱っている場合には、

「何を確認する?」
「どれを修正する?」
「どこへ送る?」
「いつまで?」

がわからないかもしれません。

ここでも、すべてを毎回書く必要はありません。

基準は、

「相手が次の行動を決めるために必要か」

です。

依頼文を書いたら、一度、

「これを受け取った人は、すぐ作業を始められる?」

と考えてみてください。

4.曖昧な言葉を具体的にしたほうがいいところはない?

「早めに」
「しっかり」
「適切に」
「なるべく」
「少し」
「いい感じに」

こうした表現は、日常的によく使います。

そして、必ずしも悪い表現ではありません。

ただ、相手と解釈が違うと困るところでは、具体化したほうが伝わりやすくなります。

たとえば、

「少し短くしてください。」

より、

「300文字程度にまとめてください。」

「早めに送ってください。」

より、

「明日の午前10時までに送ってください。」

としたほうが、読み手は判断しやすくなります。

ポイントは、

「曖昧な言葉を全部なくす」

ことではありません。

「ここは人によって受け取り方が変わると困る?」

と確認することです。

5.この文章だけを読んだ人は、次に何をすればいいかわかる?

最後は、文章を読んだあとの状態を確認します。

説明は理解できた。

でも、

「それで、どうすればいいの?」

が残る文章があります。

特に、

依頼
案内
手順説明
メール
チャット

などでは、読み手の次の行動まで見ておくことが大切です。

文章を書き終えたら、自分を一度読み手側に置いてみます。

そして、

「この文章だけを渡されたら、次に何をする?」

と考えてみてください。

すぐ答えられるなら、必要な情報はかなり整理されています。

答えがわからないなら、何かが不足しているか、重要な情報が埋もれている可能性があります。

Before/Afterで「伝わる文章」に直してみよう

ここまでの考え方を使って、実際に文章を直してみましょう。

まずはBeforeです。

「先ほどの件ですが、確認したところ少し問題がありましたので、前回と同じように修正してから送ってください。」

書いた本人には、これで十分わかるかもしれません。

では、読み手側から見てみます。

「先ほどの件」とは何でしょう。

「少し問題がある」のは、どこでしょう。

「前回と同じ修正」とは、どんな修正でしょう。

何を送ればよいのでしょう。

いつまでに送ればよいのでしょう。

こうして見ると、文章として成立していても、読み手が判断するための情報がいくつか抜けています。

では、必要な情報を補ってみます。

「先ほど共有した会議資料を確認したところ、3ページ目の売上表に修正が必要でした。前回と同じように、売上金額を税込表示に変更してください。修正後の資料は、本日17時までに共有フォルダへ保存をお願いします。」

こちらでは、

「何を」
「どこを」
「どう直して」
「いつまでに」
「どうするのか」

がわかります。

読み手が、

「たぶんこういう意味だろう」

と推測する部分が減りました。

ここで注目したいのは、難しい言葉へ書き換えたわけではないことです。

表現を格好よくしたわけでもありません。

やったことは、

「読み手が理解して行動するために必要な情報を補った」

ことです。

伝わる文章に直そうとすると、

「もっと文章を上手にしよう」

と考えてしまいがちです。

でも、その前に確認したいことがあります。

「相手に足りない情報は何?」

です。

そして、必要な情報を補ったあとに、

「逆に、なくても困らない情報は入っていない?」

と確認します。

この順番で見直すと、「ただ詳しいだけの文章」にもなりにくくなります。

伝わる文章は「詳しい文章」とは限らない

先ほどのBefore/Afterでは、情報を追加することで伝わりやすくしました。

ただし、ここで注意したいことがあります。

「情報を追加すれば、文章は伝わりやすくなる」

とは限りません。

相手がすでに知っていることまで毎回説明すると、今度は重要な情報が埋もれてしまいます。

たとえば、毎日同じ業務をしている相手へ、

「まずパソコンを起動して、共有フォルダを開いて……」

と毎回説明する必要はないでしょう。

相手が知っていることを省くことで、今回伝えたい変更点を目立たせることもできます。

反対に、初めて作業する人なら、その説明が必要になるかもしれません。

つまり、

「詳しく書くべきか」
「短く書くべきか」

だけでは決められません。

大切なのは、

誰に伝える文章なのか

です。

伝わる文章とは、単純に短い文章でも、詳しい文章でもありません。

「その相手が理解するために必要な情報が、必要な形で入っている文章」

と考えてみるとよいでしょう。

だからこそ、同じ内容でも相手によって書き方は変わります。

文章を書くときに「正しい一つの書き方」を探すより、

「この相手には何が必要?」

と考えるほうが、伝わる文章へ近づきやすくなります。

何を伝えたいのか自分でも整理できていない場合は?

ここまで紹介した方法を使って文章を見直しても、

「何を残せばいいのかわからない」
「説明したいことが多すぎて整理できない」

ということもあります。

その場合は、文章の書き方より前の段階へ戻ってみましょう。

そもそも書き手自身が、

「一番伝えたいことは何か」

を決められていなければ、読み手に必要な情報も選びにくくなります。

たとえば、

「この商品のことを伝えたい」

だけでは、まだ範囲が広いですよね。

商品の価格なのか。

使い方なのか。

メリットなのか。

ほかの商品との違いなのか。

伝える内容によって、必要な情報は変わります。

そこで、

「初めて購入する人に、AとBの違いを伝えたい」

まで整理できれば、何を説明すればよいのか見えやすくなります。

文章がまとまらないときは、

「どう書けばいい?」

と文章だけを直し続けないことも大切です。

一度、

「誰に伝える?」
「何を一番伝えたい?」

へ戻ってみてください。

伝える内容そのものを整理する方法については、別の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:伝えたいことがまとまらないときは?文章を書く前の整理方法

まとめ|「何を書いたか」ではなく「相手に何が伝わるか」で見直そう

書いた本人にはわかるのに、相手には伝わらない。

その原因のひとつは、書き手と読み手が持っている情報の違いにあります。

書き手は、文章に書いていない背景や経緯まで知っています。

一方、読み手は、書かれている内容を手がかりに意味を理解します。

だからこそ文章を書くときは、

「自分にはわかる」

だけで終わらせず、

「この文章だけを読んだ相手にもわかる?」

と確認することが大切です。

相手が知らない前提を省略していないか。

「これ」「それ」が何を指しているかわかるか。

誰が何をするのかわかるか。

曖昧な表現で解釈が分かれないか。

一度に多くの情報を詰め込んでいないか。

読み手が知りたい順番になっているか。

そして、

「書いたから伝わる」

と思い込んでいないか。

ただし、すべてを詳しく説明すればよいわけでもありません。

情報が足りなければ伝わりませんが、情報が多すぎても大切なことが埋もれてしまいます。

必要なのは、

「自分が知っていることを全部書くこと」

ではなく、

「相手が理解・判断・行動するために必要なことを書くこと」

です。

文章を書き終えたら、

「ちゃんと書けたかな?」

だけではなく、

「この文章だけを読んだ人には、何が伝わるだろう?」

と読み返してみてください。

さらに、相手に何かしてほしい文章なら、

「これを読んだあと、相手は次に何をすればいいかわかる?」

まで確認します。

伝わる文章を書くために、難しい表現を覚えることが最初ではありません。

書き手の頭の中から少し離れて、読み手側から文章を見る。

その視点があるだけでも、「自分にはわかるのに、なぜか相手には伝わらない」というズレを見つけやすくなります。

タイトルとURLをコピーしました