「こましゃくれるって、どういう意味?」
「聞いたことがないけど、これって方言?」
そんな疑問を持った人もいるのではないでしょうか。
「こましゃくれる」は、普段の会話ではあまり耳にしない人もいる言葉です。そのため、地域だけで使われている方言のように感じることがあります。
結論からいうと、「こましゃくれる」は特定の地域だけで使われる方言ではなく、辞書にも載っている一般的な言葉です。
ただし、現在ではやや古風に感じられる表現でもあります。
地域や世代によっては、「一度も使ったことがない」「意味はなんとなく分かるけれど、自分では使わない」という人がいても不思議ではありません。
意味としては、主に子どもについて、年齢のわりに大人びた言葉や態度を見せることを表します。
ただ「大人っぽい」というだけではなく、「妙に大人びている」「少し生意気」「こざかしい」といったニュアンスを含むのがポイントです。
この記事では、「こましゃくれる」の意味や使い方、方言なのかどうか、「おませ」「ませている」との違いまで分かりやすく紹介します。

こましゃくれるとは?意味を簡単にいうと
「こましゃくれる」とは、主に子どもが、年齢のわりに大人びた言葉や態度を見せることを意味します。
たとえば、小さな子どもが大人顔負けの口調で話したり、年齢のわりに理屈っぽいことを言ったりしたときに、
「ずいぶんこましゃくれたことを言うね」
などと使います。
ここで注意したいのは、「しっかりしている」「大人っぽい」と完全に同じ意味ではないことです。
「こましゃくれる」には、
- 妙に大人びている
- 少し生意気
- 利口ぶっているように見える
- 年齢のわりに口が達者
といったニュアンスが含まれることがあります。
たとえば、小さな子が落ち着いて挨拶できたときに「しっかりしているね」と言えば、基本的には褒め言葉として受け取れます。
一方、「こましゃくれているね」と言うと、単にしっかりしているだけではなく、「小さいのにずいぶん大人みたいなことを言うなあ」という驚きや、少しからかうような気持ちが加わります。
そのため、純粋な褒め言葉というより、子どもの大人びた様子を少し面白がったり、生意気に感じたりしたときに使われやすい言葉と考えると分かりやすいでしょう。
【図1:「こましゃくれる」の意味・ニュアンス図解

こましゃくれるは方言?聞いたことがなくても不思議ではない
「こましゃくれる」という言葉を初めて聞くと、
「どこかの方言なのかな?」
と思うかもしれません。
普段、自分の周りでまったく使われていない言葉だと、そう感じるのも自然ですよね。
しかし、「こましゃくれる」は特定の地域だけで使われる方言ではありません。
国語辞典にも掲載されている、昔から使われてきた日本語のひとつです。
では、なぜ「方言では?」と思われやすいのでしょうか。
理由のひとつは、現在の日常会話ではそれほど頻繁に使われる言葉ではないことです。
同じような場面でも、今なら、
「ませてるね」
「おませさんだね」
「大人びてるね」
「口が達者だね」
など、別の言葉で表現することも多いでしょう。
そのため、
「私は一度も使ったことがない」
「家族や友人も言わない」
「大人になって初めて聞いた」
という人がいても、まったく不思議ではありません。
大切なのは、方言ではないからといって、全国の誰もが日常的に使っているとは限らないということです。
辞書に載っている日本語でも、地域や家庭、世代によって馴染みの度合いには差があります。
「こましゃくれる」も、そのような言葉のひとつと考えると分かりやすいでしょう。
【図2:「こましゃくれるは方言?」図解

「特定地域だけの方言ではない」
↓
「辞書にも載る日本語」
↓
「ただし現在は使用頻度が高くない」
↓
「地域・世代によって馴染みに差がある」】
なぜ「こましゃくれる」は方言っぽく感じるの?
「こましゃくれる」が方言のように聞こえる理由として、もうひとつ考えられるのが、似た言い方がいくつかあることです。
「こましゃくれる」以外にも、
- こまっしゃくれる
- こまっちゃくれる
- こまちゃくれる
などの形で耳にすることがあります。
人によって馴染みのある言い方が違うと、
「自分が知っている言葉と少し違う」
「この言い方はどこの地域のものだろう?」
と感じやすくなります。
さらに、そもそも使用頻度が高い言葉ではないため、自分の身近な人が使う形だけを「普通の言い方」だと思っていた、ということもあるでしょう。
こうした言い方の違いと、地域や世代による使用頻度の差が重なって、「方言っぽい」と感じられやすくなっていると考えると分かりやすいです。
「こましゃくれる」は今でも使う言葉?
「こましゃくれる」は現在でも意味が通じる言葉ですが、日常会話ではやや古風に感じる人もいます。
たとえば、子どもが大人びたことを言ったとき、
「この子、こましゃくれてるね」
と表現することもできますが、
「この子、ませてるね」
「ずいぶん大人びたことを言うね」
と表現する人も多いでしょう。
そのため、「こましゃくれるって一般的な言葉なの?」と聞かれた場合には、
「辞書に載っている一般語ではあるものの、現在、誰もが普段から使っている言葉とは限らない」
と捉えるのが分かりやすいです。
昔からある言葉でも、時代とともに使われる頻度が変わることは珍しくありません。
「意味は知っているけれど自分では使わない」という人もいれば、家庭や地域によっては子どものころから普通に耳にしていた人もいるでしょう。
この感覚の差が、「方言なのでは?」という疑問につながりやすいのかもしれません。
「こましゃくれる」はどんなときに使う?
「こましゃくれる」は、主に子どもの言葉や態度が年齢以上に大人びて見えたときに使います。
ただし、単に落ち着いているだけではなく、「そこまで大人みたいなことを言うんだ」という驚きや、「ちょっと生意気だな」という気持ちが加わることが多い言葉です。

大人のようなことを言うとき
たとえば、小さな子どもが、
「それはもっと計画的にしたほうがいいんじゃない?」
など、大人顔負けの発言をしたとします。
そんな場面で、
「ずいぶんこましゃくれたことを言うね」
と表現することがあります。
ただ「頭がいい」というよりも、「小さいのに、そんな大人みたいな言い方をするんだ」というニュアンスです。
口が達者な子どもに対して
大人に負けないほど理屈を並べたり、言い返したりする子どもにも使われます。
「まだ小さいのに、こましゃくれた子だね」
という場合は、「大人びている」という意味だけでなく、「口が達者」「少し生意気」といったニュアンスが強くなります。
同じ子どもの様子を表す場合でも、
「しっかりした子だね」
と
「こましゃくれた子だね」
では、受ける印象が違います。
前者は褒め言葉として受け取りやすいのに対し、後者には少し皮肉やからかいが混じる可能性があります。
大人びた振る舞いをするとき
大人の会話に入りたがったり、大人のような振る舞いをしたりする子どもについて使われることもあります。
ただし、おしゃれや恋愛など、大人の世界への関心が年齢のわりに早いことを表現する場合には、「こましゃくれる」より「おませ」「ませている」のほうが自然なケースもあります。
似た言葉でも、どの部分を「大人びている」と感じたのかによって使い分けると分かりやすいでしょう。
こましゃくれるは褒め言葉?悪口?
「こましゃくれる」は、どちらかといえば少し否定的なニュアンスを含みやすい言葉です。
「大人っぽくて立派だね」と素直に褒めるというより、
「小さいのに妙に大人びている」
「ずいぶん口が達者だな」
「ちょっと生意気だな」
という気持ちが含まれることがあります。
そのため、基本的には純粋な褒め言葉と考えないほうがよいでしょう。
とはいえ、必ず悪口になるわけでもありません。
親しい間柄で、
「まあ、こましゃくれたことを言っちゃって」
と笑いながら使うこともあります。
この場合は、本気で子どもを悪く言っているのではなく、大人びた発言を面白がったり、微笑ましく感じたりしていることもあります。
つまり、「こましゃくれる」がどのくらい否定的に聞こえるかは、言い方や場面、相手との関係によっても変わります。
ただし、本人やその親に直接使う場合は少し注意したほうがよいでしょう。
こちらは軽い冗談のつもりでも、
「生意気な子だと言われた」
と受け取られる可能性があります。
相手を褒めたいのであれば、
「しっかりしているね」
「大人っぽいね」
「受け答えが上手だね」
など、意図が伝わりやすい表現を選ぶほうが安心です。
「こましゃくれる」と「おませ」の違い
「こましゃくれる」とよく似た言葉に「おませ」があります。
どちらも、子どもが年齢のわりに大人びている様子を表せる言葉です。
ただし、ニュアンスには少し違いがあります。
| 言葉 | 意味 | 主なニュアンス |
|---|---|---|
| こましゃくれる | 子どもの言動が妙に大人びている | 少し生意気・こざかしい |
| おませ | 年齢のわりに早く大人びている | 比較的やわらかい |
| 大人びている | 年齢以上に落ち着いて見える | 比較的肯定的 |
特に違うのは、「こましゃくれる」のほうが、生意気さやこざかしさを含みやすいことです。
たとえば、小さな子どもがおしゃれに興味を持ち、大人のまねをしている様子を見て、
「おませさんだね」
と言えば、かわいらしさを込めた表現として使えることがあります。
一方、
「こましゃくれた子だね」
と言うと、「妙に大人ぶっている」「小さいのに口が達者」といった印象が加わりやすくなります。
大まかに整理すると、
「おませ」は年齢より早く大人びていること、「こましゃくれる」は大人びた言動に少し生意気さを感じたときに使われやすい言葉
と覚えておくと、違いをつかみやすいでしょう。
【図3:「こましゃくれる・おませ・大人びている」の比較図解

こましゃくれる
→ 大人びた言動+少し生意気・こざかしい
おませ
→ 年齢より早く大人びている+比較的やわらかい
大人びている
→ 年齢以上に落ち着いている+比較的肯定的】
「おませ」という言葉そのものの意味や、「人に使ったら失礼なの?」という点が気になる方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
→「おませさんとは?失礼か迷ったときの意味と使い方」
「こましゃくれる」と「ませている」の違い
「ませている」も、「こましゃくれる」とよく似ています。
「ませている」は、年齢のわりに早く大人びていることを広く表せる言葉です。
たとえば、
「最近の子はませているね」
などと使います。
一方、「こましゃくれる」は、特に言葉づかいや態度に対して、
「妙に大人びている」
「小さいのに口が達者」
「少し小生意気」
と感じたときに使いやすい表現です。
「ませている」は、大人の世界への興味や大人びた様子を比較的広く表現できます。
それに対して「こましゃくれる」は、言動から感じる生意気さやこざかしさまで表したいときに使われやすいと考えると分かりやすいでしょう。
「こまっしゃくれる」は間違い?
「こましゃくれる」と似た言い方として、
「こまっしゃくれる」
「こまっちゃくれる」
などを聞いたことがある人もいるでしょう。
「自分は『こまっしゃくれる』だと思っていたけれど、間違いだったの?」
と気になるかもしれません。
これらは、単純な言い間違いとして片づける必要はありません。
「こましゃくれる」とともに、似た形の言い方が使われてきました。
そのため、人によっては「こましゃくれる」よりも「こまっしゃくれる」のほうが耳馴染みがある場合もあります。
逆に、「こまっしゃくれるなんて初めて聞いた」という人もいるでしょう。
こうした違いも、地域や世代、家庭などによって言葉の馴染み方が異なる例のひとつです。
検索すると複数の形が出てきて戸惑うかもしれませんが、「自分が知っている形と違うから間違い」と単純に考えなくてもよいでしょう。
「こましゃくれる」を大人に使う?
「こましゃくれる」は、基本的には子どもの大人びた言動について使われる言葉です。
そもそも「年齢のわりに大人びている」という意味合いがあるため、大人に対して同じ感覚で使う言葉ではありません。
そのため、大人に対して、
「あなたはこましゃくれているね」
と言うのは一般的な使い方とは言いにくいでしょう。
また、大人に使うと「生意気」「こざかしい」といった否定的な印象だけが強く伝わってしまう可能性があります。
普段の会話で無理に大人へ使う必要はない言葉と考えておくとよいでしょう。
「こましゃくれる」の使い方と例文
意味が分かっても、「実際にどう使うの?」と迷うことがあります。
代表的な使い方を見てみましょう。
「こましゃくれたことを言う」
子どもが年齢に似合わないほど大人びた発言をした場面で使えます。
例:
「まだ小学生なのに、ずいぶんこましゃくれたことを言うね」
「こましゃくれた子」
口が達者だったり、大人びた態度を取ったりする子どもについて使います。
例:
「子どものころは、なかなかこましゃくれた子だったらしい」
「こましゃくれている」
大人びた言葉や態度を見せている様子を表します。
例:
「まだ幼いのに、話し方がずいぶんこましゃくれている」
ただし、実際に誰かの子どもについて使う場合には、少し否定的に聞こえる可能性があることを覚えておきたいところです。
文章や物語の中で人物の性格を表す場合には使いやすい言葉ですが、直接相手を褒めたい場面では別の表現を選んだほうが伝わりやすいでしょう。
こましゃくれるの言い換え
「こましゃくれる」を今の言葉に置き換えたい場合は、その場面でどんな意味を伝えたいのかによって表現を選ぶのがおすすめです。
肯定的に表現するなら、
- 大人びている
- しっかりしている
- 落ち着いている
- 受け答えがしっかりしている
などがあります。
少し生意気なニュアンスを含めるなら、
- ませている
- 大人ぶっている
- 小生意気
- 口が達者
- 利口ぶっている
などが近いでしょう。
たとえば、「こましゃくれた子」を単純に「大人びた子」と置き換えると、元の言葉にあった少し生意気なニュアンスがなくなります。
逆に、「生意気な子」と置き換えると、今度は「年齢以上に大人びている」という意味が弱くなります。
「こましゃくれる」は、大人びていることと、少し生意気に感じられることの両方を含みやすい言葉です。
一語で完全に置き換えようとせず、その場面でどのニュアンスを伝えたいのかを考えて言葉を選ぶと自然です。
「こましゃくれる」と言われたら悪い意味?
自分や自分の子どもについて「こましゃくれている」と言われると、
「これって悪く言われているのかな?」
と気になるかもしれません。
「こましゃくれる」には確かに、「少し生意気」「こざかしい」といったニュアンスがあります。
そのため、純粋な褒め言葉とは言いにくい表現です。
ただし、必ずしも強い悪意を込めて使われるわけではありません。
たとえば、
「まあ、こましゃくれたことを言って」
と笑いながら言ったのであれば、大人びた発言を面白がっていることもあります。
「こましゃくれる」という言葉だけで悪口かどうかを判断するのではなく、誰が、どんな言い方で、どのような場面で使ったのかまで含めて考えるとよいでしょう。
まとめ|こましゃくれるは方言ではないが、今では馴染みの薄い人もいる言葉
「こましゃくれる」は、特定の地域だけで使われる方言ではなく、辞書にも載っている日本語です。
ただし、現在の日常会話ではそれほど頻繁に使われないため、
「聞いたことがない」
「自分では一度も使ったことがない」
「方言だと思っていた」
という人がいても不思議ではありません。
意味は、主に子どもが年齢のわりに大人びた言動をすることです。
ただ単に「大人っぽい」というだけではなく、少し「生意気」「こざかしい」「口が達者」といったニュアンスを含むことがあります。
ポイントを整理すると、
- 「こましゃくれる」は特定地域だけの方言ではない
- 昔から使われてきた言葉
- 現在はやや古風に感じる人もいる
- 主に子どもの大人びた言葉や態度について使う
- 純粋な褒め言葉というより、少し生意気なニュアンスを含みやすい
- 「おませ」よりも「こましゃくれる」のほうが否定的な響きを持ちやすい
- 「こまっしゃくれる」など、似た言い方もある
という言葉です。
「おませ」と意味が似ているため混同しやすいですが、ニュアンスまで見ると少し違います。
「おませさんって褒め言葉?それとも失礼?」と気になった方は、こちらの記事も参考にしてください。


