文章を書いていて、
「なんだか固い文章になってしまう」
「意味は間違っていないはずなのに、わかりにくい」
「もっとやさしく書きたいけれど、どこを直せばいいかわからない」
と感じることはありませんか。
そんなときに役立つのが、言い換えです。
ただし、わかりやすく言い換えるとは、難しい言葉を片っ端から簡単な言葉に変えることではありません。
大切なのは、
「元の意味を保ちながら、読み手が理解しやすい表現に変えること」
です。
たとえば、
「内容をご確認のうえ、必要に応じて修正を実施してください」
という文章なら、
「内容を確認し、必要なところを修正してください」
としたほうが、すっと意味をつかみやすくなります。
一方で、やさしくしようとして必要な条件まで削ってしまうと、元の文章とは違う意味になることもあります。
つまり、
「難しい言葉をなくせば、わかりやすくなる」
とは限らないのです。
言い換えで目指したいのは、「簡単な文章」ではなく「読み手に正しく伝わる文章」です。
この記事では、
「誰に?」
↓
「どこで迷う?」
↓
「どう変える?」
↓
「意味は同じ?」
という4つの問いを使いながら、わかりにくい文章を見つけて、伝わる表現へ言い換える方法を紹介します。
難しい言葉だけでなく、曖昧な表現や長い文章にも使える考え方です。
文章をわかりやすく言い換えるとは?
「言い換える」と聞くと、
「難しい言葉を簡単な言葉へ変える」
というイメージがあるかもしれません。
もちろん、それも言い換えの一つです。
たとえば、
「確認を実施する」
↓
「確認する」
とすれば、意味をほとんど変えずに文章をすっきりさせられます。
しかし、文章がわかりにくくなる原因は、難しい単語だけではありません。
たとえば、
「適切に対応してください」
という文章。
使われている言葉そのものは、それほど難しくありません。
それでも読み手は、
「適切って、具体的にはどうすればいいの?」
と迷う可能性があります。
この場合、「適切」をもっと簡単な言葉へ変えれば解決するとは限りません。
必要なのは、
「何をしたらよいのか」
が読み手にわかることです。
たとえば、実際の対応内容が決まっているなら、
「間違いがあれば修正してください」
などと、行動を示せます。
つまり、わかりやすく言い換えるときに見るのは、
「この言葉は難しい?」
だけではありません。
「この文章を読んだ人は、意味や行動を判断できる?」
というところまで見ます。
この記事では、
「読み手が迷う表現を、読み手が理解できる表現へ変えること」
を、わかりやすい言い換えとして考えていきます。

なぜ文章はわかりにくい表現になってしまう?
自分では普通に書いたつもりなのに、あとから読み返すと、
「なんだかわかりにくいな」
と感じることがあります。
その原因の一つが、書き手と読み手が持っている情報の違いです。
書き手は、何について書いているのかをすでに知っています。
一方、読み手は文章を読みながら、その情報を初めて受け取ります。
この差を意識しないまま書くと、書き手にはわかるのに、読み手にはわかりにくい文章になりやすくなります。
書き手が知っている前提を省略している
書き手にとって当たり前のことほど、説明から抜けやすくなります。
たとえば、
「いつもの方法で送ってください」
という文章。
書き手と読み手の間で「いつもの方法」が共有されていれば問題ありません。
しかし、初めて読む人なら、
「メールで送るの?」
「共有フォルダに入れるの?」
「フォームから送るの?」
と迷います。
この場合、
「メールに添付して送ってください」
など、実際の方法を示したほうが理解しやすくなります。
言葉そのものは簡単でも、前提が抜けていると文章はわかりにくくなるのです。
抽象的な言葉が多い
「適切に」
「しっかり」
「十分に」
「なるべく」
こうした言葉は便利です。
ただし、人によって受け取り方が変わることがあります。
たとえば、
「十分に確認してください」
と言われても、
「何を確認する?」
「どこまで確認すれば十分?」
がわかりません。
確認する内容が決まっているなら、
「名前・日付・金額に間違いがないか確認してください」
としたほうが、読み手は行動しやすくなります。
もちろん、すべての抽象表現を具体化する必要はありません。
読み手が判断できる場面なら、そのままでも問題ないでしょう。
大切なのは、
「この言葉の意味を、読み手と共有できているか」
を見ることです。
専門用語やカタカナ語をそのまま使っている
自分が普段使っている言葉は、難しい言葉だと気づきにくいものです。
たとえば、
「CTAを改善します」
という文章。
Webマーケティングやライティングに慣れている人なら、意味が通じるでしょう。
でも、初めて聞く人には「CTA」が何なのかわかりません。
そこで、
「CTA(読者に次の行動を促すための案内)を改善します」
のように、短い説明を加える方法があります。
専門用語を消すのではなく、
「その言葉を知らない人でも、そこで立ち止まらずに読めるようにする」
という考え方です。
一文に情報を詰め込みすぎている
使っている言葉は簡単でも、一文に情報が多すぎると読みづらくなります。
たとえば、
「資料を確認して修正箇所があれば直して担当者へ連絡したうえで明日の会議までに共有してください。」
意味は通じます。
ただ、
「確認する」
「修正する」
「連絡する」
「共有する」
という複数の行動が一文につながっています。
そこで、
「まず資料を確認してください。修正箇所があれば直し、担当者へ連絡します。その後、明日の会議までに資料を共有してください。」
と分けます。
言葉をほとんど変えなくても、文章の区切りを変えるだけで読みやすくなることがあります。
判断基準が読み手に委ねられている
「必要に応じて対応してください」
「早めに提出してください」
「問題があれば修正してください」
こうした文章では、判断するための基準が読み手側にあります。
もちろん、読み手自身が判断する前提なら問題ありません。
一方、
「いつまで?」
「何が問題?」
「どんな場合に対応する?」
という基準を共有する必要があるなら、もう少し情報を加えたほうが伝わりやすくなります。
文章のわかりにくさは、難しい単語だけから生まれるわけではありません。
書き手と読み手の「知っていることの差」から生まれることもあります。
関連記事:書いた本人にはわかるのに、なぜ相手には伝わらない?原因と伝わる文章の書き方
まず「難しい言葉」ではなく「読み手が迷う場所」を探す
文章をわかりやすくしようとすると、
「難しい言葉を探そう」
と考えがちです。
でも、ここで少し視点を変えてみます。
探すのは、
「難しい言葉」
ではなく、
「読み手が迷う場所」
です。
たとえば、
「内容を確認して、問題があれば適切に対応してください」
という文章。
難しい専門用語はありません。
一つひとつの単語も、それほど難しくありません。
それでも読み手側から見ると、
「何を確認する?」
「何を問題とする?」
「適切な対応とは?」
という疑問が残ります。
つまり、読み手がいくつもの判断をしなければならない文章になっています。
実際に確認する内容が、
「名前・日付・金額」
で、間違いがあれば修正するという意味なら、
「名前・日付・金額を確認してください。間違いがあれば修正してください。」
と書けます。
これなら、
「何を確認する?」
「何をすればいい?」
という2つの疑問が減ります。
文章を見直すときは、
「難しい言葉はないかな?」
だけではなく、
「この文章を初めて読んだ人は、どこで『それってどういう意味?』と思うかな?」
と考えてみてください。
見つけやすくするには、
「何を?」
「誰が?」
「いつ?」
「どのくらい?」
「どうやって?」
「具体的には?」
と問いかけます。
全部に答える必要はありません。
その文章を理解したり、次の行動を決めたりするために必要な情報だけを補います。
わかりやすい文章は、何でも詳しく書いた文章ではありません。
読み手が迷うところに、必要な情報がある文章です。
【図1:「難しい言葉」を探すのではなく「読み手が迷う場所」を見つける】

わかりやすく言い換える4つの手順
自分の文章を直すときは、
「誰に?」
↓
「どこで迷う?」
↓
「どう変える?」
↓
「意味は同じ?」
という4つの順番で考えると整理しやすくなります。
1.「誰に?」を考える
最初に、
「誰が読む文章?」
を考えます。
同じ言葉でも、読み手によって説明の必要性が変わるからです。
たとえば、
「SEO」
という言葉。
SEO担当者向けの記事なら、そのままでもよいでしょう。
ブログ初心者向けなら、
「SEO(検索結果から記事を見つけてもらいやすくするための取り組み)」
など、最初に説明を加える方法があります。
ここで大切なのは、
「SEOは難しい言葉だから説明する」
と機械的に考えないことです。
判断するのは、
「今回の読み手は、この言葉を知っている?」
です。
同じ文章でも、相手が変われば適切な言葉も変わります。
2.「どこで迷う?」を探す
次に、読み手が意味を推測しなければならない場所を探します。
たとえば、
「なるべく早く提出してください」
なら、
「なるべく早くって、いつ?」
が疑問になります。
「必要な内容を記載してください」
なら、
「必要な内容って何?」
です。
「適切な方法で対応してください」
なら、
「適切な方法って?」
と迷うかもしれません。
文章を読み返しながら、
「ここを初めて読む人でも判断できる?」
と確認します。
3.「どう変える?」を考える
読み手が迷う場所が見つかったら、理解できる形へ変えます。
ここでは、単語を交換することだけにこだわりません。
難しい言葉なら、普段使う言葉へ変える。
抽象的なら、具体的な行動を示す。
期限が必要なら、日時を示す。
専門用語なら、短い説明を加える。
一文が長ければ、分ける。
つまり、
「何という言葉に変える?」
ではなく、
「どうすれば読み手が理解できる?」
と考えます。
4.「意味は同じ?」を確認する
最後に、
「言い換える前と後で、同じ意味になっている?」
と確認します。
これは、とても大切です。
たとえば、
「本人確認が必要な場合があります」
を、
「本人確認が必要です」
と変えたら、意味が違います。
「場合があります」がなくなったことで、
「必要になることがある」
から、
「必ず必要」
へ変わってしまいました。
文章は短くなっています。
でも、正しい言い換えとはいえません。
言い換えたあとには、
「条件を消していない?」
「意味を強くしていない?」
「意味を弱くしていない?」
「例外をなくしていない?」
と確認します。
商品仕様や制度、契約、健康、法律など正確性が重要な内容では、特に慎重に確認する必要があります。
「わかりやすさ」のために「正確さ」を失わないことが大切です。
【図2:わかりやすく言い換える4ステップ「誰に?→どこで迷う?→どう変える?→意味は同じ?」】

わかりにくい文章を言い換える5つの方法
ここまでの4ステップを使って、実際にどのように文章を変えるのか見ていきましょう。
1.難しい言葉を普段使う言葉へ変える
まずは、難しい言葉を普段使う表現へ変える方法です。
たとえば、
「可及的速やかに対応してください」
という文章なら、一般向けの案内文では、
「できるだけ早く対応してください」
としたほうが意味をつかみやすいでしょう。
ただし、「可及的速やかに」が法律や契約などで特定の意味を持っている場合は、単純に置き換えないほうがよいこともあります。
言葉を簡単にするときも、
「意味まで変わっていない?」
を確認します。
2.長い表現を短い表現へ変える
意味を変えずに短くできる表現もあります。
たとえば、
「確認を実施する」
↓
「確認する」
「検討を行う」
↓
「検討する」
「変更することが可能です」
↓
「変更できます」
などです。
こうした表現が続くと、文章が必要以上に固く感じられることがあります。
短くして意味が変わらないなら、すっきりした表現へ変えるのも一つの方法です。
ただし、
「短い=わかりやすい」
ではありません。
必要な情報まで削らないようにします。
3.抽象的な表現を具体的な行動へ変える
「しっかり確認してください」
と言われても、
「何をすれば、しっかり確認したことになるの?」
と迷います。
そこで、
「名前・日付・金額に間違いがないか確認してください」
と、実際の行動へ変えます。
ほかにも、
「読みやすくしてください」
という依頼なら、
「一文に複数の内容が入っている場合は、意味のまとまりごとに文を分けてください」
とする方法があります。
「しっかり」や「きちんと」などを別の言葉に交換するのではなく、
「実際には何をする?」
へ置き換えるのがポイントです。
4.曖昧な表現に判断基準を加える
「早めに返信してください」
という文章では、「早め」の基準が人によって違います。
期限が重要なら、
「明日の10時までに返信してください」
としたほうが判断しやすくなります。
ほかにも、
「少し短くしてください」
という依頼なら、必要に応じて、
「この段落を3文程度にまとめてください」
のように目安を示せます。
ただし、具体的に見せるためだけに数字を作るのは避けます。
実際の文章では、本当に必要な期限や基準を確認して使います。
5.一文に詰め込んだ内容を分ける
最後は、言葉そのものではなく文章の形を変える方法です。
Before
「資料を確認して必要な部分を修正したあと担当者へ連絡し明日の会議までに全員へ共有してください。」
一文に、
確認
修正
連絡
共有
という4つの行動が入っています。
After
「まず資料を確認してください。必要な部分があれば修正し、担当者へ連絡します。その後、明日の会議までに全員へ資料を共有してください。」
文章を分けたことで、行動の順番を追いやすくなりました。
難しい言葉を一つも変えなくても、構造を変えるだけで読みやすくなることがあります。
言い換えを考えるときは、
「どの単語を変える?」
だけでなく、
「この一文に情報を入れすぎていない?」
も見てみてください。
【図3:わかりにくい文章を言い換える5つの方法】

Before/Afterでわかりやすい言い換えを見てみよう
ここまで紹介した方法を、実際の文章でまとめて使ってみましょう。
例1|固い表現をやわらかくする
Before
「必要事項を記載のうえ、所定の方法にてご提出ください。」
日常的な案内として考えると、「記載」「所定の方法」「ご提出」などが少し固く感じられるかもしれません。
After
「必要な項目を記入し、指定された方法で提出してください。」
さらに、何を記入し、どこから提出するのか決まっているなら、
「名前と連絡先を記入し、申込フォームから送信してください。」
と具体的にできます。
ここで重要なのは、
「一番やさしい文章を選ぶ」
ことではありません。
実際の状況に合う情報を、読み手が理解できる形で示すことです。
例2|曖昧な表現を行動へ変える
Before
「資料について十分な確認を行ったうえで、適切に対応してください。」
この文章では、
「十分な確認とは?」
「適切な対応とは?」
が読み手に委ねられています。
確認項目と対応が決まっているなら、
After
「資料の名前・日付・金額を確認してください。間違いがあれば修正してください。」
とできます。
「十分」を簡単な言葉に置き換えたわけではありません。
「何を確認する?」
へ答えています。
「適切」も別の言葉へ交換していません。
「何をする?」
へ答えています。
例3|専門用語に説明を加える
Before
「CTAを改善すると、読者が次の行動を選びやすくなります。」
CTAを知らない人には、最初の部分で止まってしまう可能性があります。
After
「CTA(読者に次の行動を促すための案内)を改善すると、読者が次の行動を選びやすくなります。」
用語を消さず、短い説明を加えました。
これなら、
「CTAという言葉も覚えてほしい」
という目的と、
「初心者にも意味を理解してほしい」
という目的を両立できます。
例4|長い一文を分ける
Before
「申込内容を確認して間違いがある場合は修正したうえで送信ボタンを押して受付完了メールが届いていることを確認してください。」
使われている単語は難しくありません。
でも、行動が続いています。
After
「申込内容を確認してください。間違いがあれば修正し、送信ボタンを押します。最後に、受付完了メールが届いているか確認してください。」
「確認→修正→送信→メール確認」
という流れが見えやすくなりました。
このように、
Before
↓
「どこで迷う?」
↓
「どうすれば判断できる?」
↓
After
と考えると、別の文章にも応用しやすくなります。

専門用語やカタカナ語は無理に消さなくてもいい
専門用語やカタカナ語を見ると、
「初心者向けなら、全部やさしい日本語に変えたほうがいいのでは?」
と思うかもしれません。
でも、必ずしもそうではありません。
そのテーマについて今後も学ぶなら、専門用語そのものを知っていたほうがよい場合があります。
たとえば、
「CTA」
を今後の記事でも使うなら、
「CTA(読者に次の行動を促すための案内)」
と最初に説明しておけば、その後は「CTA」と書いても理解しやすくなります。
一方、一度しか使わない専門用語で、読者が覚える必要もないなら、最初から普段使う言葉へ変えたほうが読みやすい場合があります。
判断するときは、
「この言葉は難しい?」
ではなく、
「読者がこの言葉を知る必要はある?」
と考えます。
必要なら、説明を添えて残す。
必要がなければ、理解しやすい表現へ変える。
この考え方なら、専門用語を機械的に削らずに済みます。
関連記事:CTAとは?押しつけずに行動を促す書き方
言い換えすぎると、かえってわかりにくくなることもある
文章をやさしくしようとすると、
「もっと簡単に」
「もっと短く」
と直したくなります。
でも、言い換えは多ければよいわけではありません。
元の意味が変わっている
最も注意したいのは、わかりやすくした結果、意味が変わることです。
たとえば、
「本人確認が必要な場合があります」
を、
「本人確認が必要です」
にすると、意味が変わります。
「場合があります」という条件を削ったことで、
「必要になることがある」
から、
「必ず必要」
になってしまいました。
文章は短くなっても、正確ではありません。
必要な条件まで削っている
文章をすっきりさせようとして、
期限
対象者
例外
条件
などを削ってしまうことがあります。
しかし、それらが読み手の判断に必要なら残す必要があります。
削る前に、
「この情報がなくても、読み手は正しく判断できる?」
と考えてみてください。
簡単にしようとして説明が長くなりすぎている
反対に、難しい言葉を説明しようとして、文章が長くなりすぎる場合もあります。
専門用語一つに何行もの説明を加えると、本題から離れてしまうことがあります。
短い補足で十分なら、そこで止める。
もっと詳しく知る必要がある内容なら、別の段落や関連記事で説明する。
「すべてをその場で説明する必要はない」
という考え方も大切です。
読者が知る必要のある用語まで消している
初心者向けだからといって、専門用語を全部なくす必要はありません。
これからそのテーマを理解するために必要な言葉なら、
「専門用語+短い説明」
の形で伝えるほうが役立つ場合があります。
わかりやすくすることと、内容を薄くすることは同じではありません。
言い換えるだけで伝わらないときは具体例を加える
言葉をやさしくしたのに、
「まだ少しわかりにくい」
と感じることがあります。
そんなときは、さらに別の言葉へ言い換えるより、具体例を一つ加えたほうが伝わる場合があります。
たとえば、
「一文に情報を詰め込みすぎないようにしましょう」
という説明。
意味はわかります。
でも、
「どんな文章が詰め込みすぎなの?」
と迷う人もいるでしょう。
そこで、
「たとえば、一文の中に『確認する・修正する・連絡する・提出する』と複数の行動が続いていたら、意味のまとまりごとに文を分けます。」
と具体例を加えます。
すると、自分の文章と照らし合わせやすくなります。
言い換えは、
「言葉や表現そのものを理解しやすくする方法」。
具体例は、
「説明している内容をイメージしやすくする方法」。
似ていますが、役割は少し違います。
言い換えても、
「具体的には?」
が残るなら、具体例を使ってみてください。
関連記事:具体例の書き方|わかりにくい説明を伝わる文章に変えるコツ
言い換える前に「何を伝えるか」が決まっているか確認する
文章を何度言い換えても、
「なんとなく、しっくりこない」
ということがあります。
そんなときは、表現の問題ではなく、
「そもそも何を伝えたいのか」
が整理できていない可能性があります。
たとえば、
「このサービスの便利なところを、初心者にもわかりやすく伝えたい」
だけでは、まだ範囲が広いですよね。
一方、
「初めて利用する人に、申し込みが3ステップで完了することを伝えたい」
まで決まれば、
「何を説明すればいい?」
が見えやすくなります。
文章を直していて、
「どの言葉に変えてもしっくりこない」
と感じたら、一度言い換える作業を止めて、
「誰に?」
「何を伝えたい?」
へ戻ってみてください。
伝えたいことが決まっていない文章は、表現だけを整えてもまとまりにくいものです。
反対に、
「この人に、これを伝える」
が決まれば、必要な言葉も選びやすくなります。
関連記事:伝えたいことがまとまらないときは?文章を書く前の整理方法
まとめ|言い換えは「簡単にする」より「同じ意味を伝える」
文章をわかりやすく言い換えるとき、
「難しい言葉を簡単な言葉へ変えよう」
と考えることがあります。
もちろん、それで読みやすくなる文章もあります。
でも、文章がわかりにくくなる原因は、難しい言葉だけではありません。
抽象的で行動が見えない。
期限や基準が曖昧。
専門用語の意味がわからない。
一文に情報が詰め込まれている。
書き手にはわかる前提が、読み手には共有されていない。
こうした文章もあります。
だからこそ、言い換えるときは、
「難しい言葉はどれ?」
だけでなく、
「読み手はどこで迷う?」
と考えてみてください。
そして、
「誰に?」
↓
「どこで迷う?」
↓
「どう変える?」
↓
「意味は同じ?」
という4つの問いで見直します。
「誰に?」で読み手を確認する。
「どこで迷う?」で、わかりにくい場所を見つける。
「どう変える?」で、言葉・行動・基準・文章の形を整える。
最後に、
「意味は同じ?」
で、正確さを確認する。
この順番です。
言い換えたあとに、まだ、
「具体的には?」
が残るなら、具体例を加える。
そもそも、
「何を言いたいのかわからない」
のであれば、言い換える前に伝えたいことを整理する。
このように考えると、
「難しい言葉を見つけて、簡単な類語へ置き換える」
だけではなく、文章全体を読み手の立場から見直せるようになります。
文章をやさしくすることがゴールではありません。
読み手が、書き手の伝えたい意味を無理なく受け取れることがゴールです。
文章を読み返して、
「ちょっと固いな」
「ここはわかりにくいかな」
と感じたら、すぐに別の言葉を探す前に、
「ここを初めて読んだ人は、どこで迷う?」
と問いかけてみてください。
その場所が見つかれば、どんな言い換えが必要なのかも見えやすくなります。


